追うのは数字ではなく、全社で目指すミッション
今回は「デザイナーチーム」としての取材だと説明すると、一瞬ためらう5人。なぜなら、デザイナ―チーム単体での目標は掲げていないからだ。
「普段から、僕たちデザイナーだけで固まって何かをするというよりは、エンジニアやCSチーム、CEOの加藤とコミュニケーションをとって施策を決めていくんです」(沢登さん)
その言葉を裏付けるように、社内でもデザイナーたちの席は固まっておらずバラバラ。座席は3ヵ月に1回のくじ引きで決められる。コミュニケーションは、Slackなどのツールを使って行われ、必要な時は席を立って直接話す。ちなみに「社長はどこに?」と尋ねると、社員と机を並べて座る加藤社長がひらひらと手を振ってくれた。
そんな彼らが全社一丸となって目指すのは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というシンプルで明快なミッションだ。
急成長する今だから作りたいカルチャーブック
今回取材した5人の中でも、1年以上働いているのは佐賀野さんと沢登さんのみ。小谷さんに至っては3日目、残りの2人はほぼ同時期の半年前に入社した。昨年から急激に社員数は増え始め、現在約50人が在籍する
そこで2018年3月、さらに社員が迷わずプロダクトを作れるように、ミッションに加えて6つのバリューが作られた。もともと社内で語られていたことを明文化するもので、当時在籍していた社員たちの話し合いにより作られたものだという。それらはラフなポスターにされ、オフィスのさまざまなところに立てかけられている。すべての展開がスピーディーだ。
さらに、現在は社内向けにカルチャーブックを作っている。その指揮をとっているのが入社半年のデザイナー・川井田さんだ。川井田さんは、前職では広告などを担当するグラフィックデザイナーだった。noteに入ったのは、ブランディングに携わりたいという想いがあったからだという。
「まず、noteを人格で例えると?という質問に対して、社内で出してもらった意見をまとめました。その上で、この人はどういうことするのか?と膨らませているんです」(川井田さん)
デザイナ―チームが主体となりカルチャーブックを作る理由について、同時期に入社した松下さんが言葉をつなげる。
「定期的にnoteを使ってくださっている方たちに調査をすると、noteを利用する理由として、『noteの雰囲気が好き』と言ってくださる方が多くて。それなら、私たちが『noteらしさ』をきちんと定義して、そこから逸れないUXを作っていくことこそが、サービスの定量的な数値にも表れ、良い効果を生むのではないか、と感じています」(松下さん)