PDCAを回すポイントは「要素をわけること」
こんにちは。成果フォーカスの動画コミュニケーション開発ツール『リチカ クラウドスタジオ』の毛利です。これまでの3回で動画マーケティングを成功させるためのクリエイティブの作りかたをご紹介しましたが、今回はもうひとつの要素である、PDCAの回しかたについてお話しします。
これまでの連載を通じて、ターゲットや配信面や見た目に気を使った動画クリエイティブを作りあげるところまで辿り着きました。いかにも成果が出そうなクリエイティブが完成しています。広告プラットフォームで結果がでるのが楽しみでワクワクしていませんか?
しかしここで、少し残念なお知らせをしなければいけません。そのクリエイティブではおそらく思ったような成果はでないでしょう。決して意地悪をしているわけではありません。
結果がでないのは、商品の問題でも皆さんご自身の問題でもありません。世界中のあらゆる広告運用者は「クリエイティブひとつでは成果がでない」という苦しみを抱えています。みな同様に、さまざまなパターンのクリエイティブを大量に配信し、成果の出る勝ちクリエイティブを探しているのです。
広告運用というように、“運用”活動を通して、広告効果を高め続ける必要があります。弊社のお客さまの中では、月に800本以上のクリエイティブを作成しテストしている企業さんも存在しています。これがいわゆる「PDCAを回す」ということです。今回は、広告クリエイティブで成果を出すために欠かせないPDCAの回しかたについて、いくつかの例をご紹介します。
クリエイティブのPDCAとは、下記のようなサイクルを回し、良い成果を出せるクリエイティブを生み出すことです。
- 仮説でクリエイティブをつくる
- 検証のために広告プラットフォームに配信する
- 配信結果の数字から学習する
- 新たなクリエイティブを作成する
- 配信する
こう聞くととても大変そうですし、どのタイミングで、どれくらいの頻度で、どのような観点でクリエイティブを作ればよいのかがわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。これにも方法論がありますので、お伝えしたいと思います。
まず動画の検証では、クリエイティブのテキスト部分である「コピー」、デザインなどの「見せかた」の順番にテストをしていきます。要素を分けて、小さくひとつずつ検証していくのです。
このような方法を取るのは、複数の要素を同時に検証してしまうと、上手くいくときとそうでないときの幅が大きくなるためです。成果が良くても悪くても、クリエイティブのどの要素がその結果をもたらしているのかが不明瞭では改善することができません。要素を分けて検証を繰り返せば、成果がでる要素がどの部分かがわかり、その知見を積み上げることができます。思ったような数値の変化が見られなければ、ひとつ前の検証工程に戻る――。これを繰り返すことで結果がついてくるのです。