こんにちは、株式会社Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUIUXデザイナー新谷です。
前回の記事ではiOS 15で新しく再設計されたSafariのUIについて取りあげました。今回は2021年秋にリリースされるGoogleのAndroid 12の「Material You」について考察していきたいと思います。
Google I/O 2021 で発表された「Material You」
Googleの発表会「Google I/O ‘21」にて、Android 12の目玉のひとつとして新たなUIデザイン「Material You」(マテリアルユー)が発表されました。
これは2014年に発表した「Material Design」(マテリアルデザイン)を次の段階に進化させたものです。「Googleアカウントで設定した好みの色と形を簡単に自分好みにでき、Web、Androidなどの環境に自動適用されるカスタムデザイン」です。
UIデザインをユーザー自身がカスタマイズすることができ、よりパーソナルなそれぞれのスタイルに合うようなデザインにすることができます。
※2021年7月27日時点ではAndroid 12 Beta 2を試すことが可能です。GoogleのPixel 3以降なら、簡単にインストールすることができます。
Material Designをおさらい
Googleが2014年から提唱してきた新しいUIUXのデザイン概念が「Material Design」です。Googleの製品だけでなく、テクノロジー業界全体のデザインを変革することに役立ってきました。
Material Designのビジョンは、「テクノロジーを人々にとってシンプルで美しく、かつ合理的なものにする」というものです。マルチプラットフォームのデザインフレームワークとして育てられてきたMaterial Designは、物理的法則や配色など明確なガイドラインが定められ、美しく一貫したデジタルエクスペリエンスを構築するためのデザインシステムです。
Googleの製品はこのシステムをベースにデザインされています。そして世界中のデベロッパーやデザイナーがこのシステムを使い、何百万ものアプリをリリースしています。
Material DesignからMaterial Themingへ
2018年にはシステムを進化させた「Material Theming」を発表。Material Designのデザインシステムを、ブランドに合わせてカスタマイズするための仕組みです。
従来のMaterial Designでは、ボタンの形状や大きさをガイドラインで定義されていましたが、それに縛られるのではなく、プロダクトやブランドイメージに沿った形でカスタムカラーやコンポーネントの形状がサポートされるのがMaterial Themingです。
テーマに合わせて細部のボタンやカードの形状が決まるため、ページ全体で統一感をもったデザインができるようなシステムになっています。
Material Themingを利用することで表現の幅が広がり、よりブランドアイデンティティに沿ったアプリやサービスを構築することができるようになりました。
それ以外にもダークテーマやツールなど、2019年以降にもMaterial Designは常にアップデートされ続けています。