UI/UXとは?今さら聞けない本当の意味とデザインのポイント

UI/UXとは?今さら聞けない本当の意味とデザインのポイント
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2021/08/17 08:00

 ユーザーにとって有益な商品やサービスを開発するためには、優れたUI/UXが不可欠。しかし、漠然と理解していても、意味や違い、重要性をしっかり説明できない人もいるでしょう。UIとUXの意味や違い、デザインのポイントを解説します。

UI/UXとは?今さら聞けない本当の意味とデザインのポイント

 Webサイトやアプリのデザインのみならず、ユーザーにとって有益な商品やサービスを開発するためには、優れた「UI」と「UX」が不可欠。しかし、UI/UXについて漠然と理解していても、意味や違い、重要性をしっかりと説明できないという人もいるようです。ここでは、UIとUXの意味や違いのほか、優れたUI/UXデザインのポイントについて解説します。

Creative Web Designer planning application and developing template layout, framework for mobile phone. User experience (UX) concept

そもそもUI/UXとは何か

 昨今では、UI/UXが売上や顧客満足度に大きな影響を与えると考えられ、IT分野以外でも重視されるようになりました。では、そもそもUIとUXは、どのようなものなのでしょうか。まずは、それぞれの意味についてご説明します。

UI:ユーザーの視覚に触れるすべての情報

 UIとはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略で、日本語に訳すと「顧客接点」です。Webサイトであれば、表示されるデザインやレイアウト、フォントなどを指し、商品であれば外観などを指します。 UIというと、単なる「見た目」をイメージする人もいますが、ユーザーとサービスや商品との接点がUIであり、操作性や機能性などもUIに含まれるものです。

 WebにおけるUIは、「CUI(キャラクターユーザーインターフェース)」と「GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)」の2つに分けられます。CUIはキーボードを使って文字入力だけで操作するもの、GUIはマウスなどを使ってグラフィカルな画面を操作するものを指します。

UX:ユーザーがサービスや商品を通して得られる体験

 UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、日本語に訳すと「顧客体験」です。UXは、ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験を指します。「デザインがきれい」「操作方法がすぐわかった」といった表層的なことから、「窓口の対応が良かった」「他社製品より使いやすい」といった質に関わることまで、ユーザーが製品やサービスを通じて感じた体験すべてがUXです。

Businessman pressing smiley face emoticon on virtual touch screen. Customer service evaluation concept

UIとUXの違いは?

 UIとUXは異なるものですが、「UI/UX」とまとめて語られることも多く、混同して捉えている人も多いです。 UIとUXは、前項で「サービスや商品とユーザーの接点」がUI、「サービスや商品を通してユーザーが得た体験」がUXと説明しました。例えばWebサイトなら、サイトの利便性や操作性が良ければ、売上や価値の向上に結びつきます。まとめて語られたり混同されたりするのは、良いUXのためには良いUIが不可欠であり、その深い関係性のせいで、境界が曖昧だからではないでしょうか。

 ただし、「優れたUI=優れたUX」ではないことには注意が必要です。デザインがきれいで操作方法がわかりやすいWebサイトだとしても、コンテンツの質が悪い、ページの読み込みが遅いなどといったことがあれば、ユーザーは満足しません。UIが優れていても、そのほかに問題があれば、優れたUXは実現できないこともあるでしょう。UIはUXの一要素であり、内包されるものといえます。

User experience on digital tablet app - UX concept

UI/UXデザインのポイント

 UXデザインとは、UIを通して得るユーザーの体験をデザインすることです。そのため、従来のデザインとは違った視点やスキルが求められます。優れたUI/UXデザインを作り出すには、どうすればいいのでしょうか。5つのポイントをご紹介します。

1 最も重要なのは「ユーザー目線」

 UI/UXのデザインを設計する際、最も重要なのは「ユーザー目線」です。よくあるのが、開発者にとって都合のいい、作りやすいデザインになるケース。自己表現を追求し、斬新なデザインや機能を盛り込んでしまうこともあるかもしれません。

 「デザインはきれいだけど、欲しい情報にたどり着けない」「機能はたくさんあるけど、使いにくい」「リニューアルされたけど、前のほうが良かった」という声を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ユーザーにストレスを感じさせるUI/UXは、避けなければなりません。

discuss User

2 ターゲットユーザーを分析する

 優れたUI/UXデザインを設計するためには、どのようなユーザーが、どのような目的で使うのか把握しなければなりません。そこで役立つのが、「ペルソナ」の設定です。ペルソナは、商品やサービスを利用する典型的なユーザー像のこと。

 例えば、若者向けと中高年向けでは、好まれるデザインや機能が異なります。あるいは、同じジャンルであっても、「初心者が求める情報」と「中級・上級者が求める情報」では、質や量が変わってくるでしょう。年齢や性別、属性などを細かく想定し、そのユーザーが求めている内容とずれがないようにUI/UXをデザインしなければなりません。

 また、ユーザーが求めていることを理解する手法として、「ユーザーテスト」があります。自社の商品やサービス、Webサイト、アプリなどを、ターゲットとなるユーザーに使ってもらい、その様子を注意深く見ることで、課題や問題点を見つけられるでしょう。Webサイトやアプリであれば、Google Analyticsなどのツールを使い、ユーザーの動向を分析することも有効です。

3 UI/UXデザインの目的、ゴールを明確にしておく

 なぜ、UI/UXデザインを設計するのか、明確にしておきましょう。自社の商品やサービス、Webサイトは、誰に向けて何のために存在しているのか、その目的によって、UI/UXデザインの方向性が決まります。あくまでユーザーが主役であり、開発側の自己都合で設計しないように注意してください。

 また、ゴールを明確にすることも重要です。「サイトへの訪問者や閲覧数を増やす」「商品やサービスの売上をアップさせる」など、ゴールはそれぞれ違います。目的とゴールを明確にすることで、最終的なUI/UXデザインが決まってくるはずです。

Close up ux developer and ui designer use augmented reality app brainstorming about mobile interface wireframe design on desk at modern office.Creative digital development agency

4 類似サービスと比較する

 類似の商品やサービス、Webサイトと比較することで、UI/UXデザインの方向性や改善点が見えてくるケースもあります。どのような視認性・操作性なのか、どのような体験ができるのか、比べてみてください。

 他社と比較することで、思いもよらない弱点に気づき、UI/UXデザインの課題や問題点を見つけられるかもしれません。類似サービスより優れたUI/UXデザインにするにはどうすればいいかを考えれば、具体的な改善策が浮かび上がってくるでしょう。

5 UIの改善は機能性に注目し、UX改善ではターゲット理解が必要

 UI/UXデザインを改善する場合は、UIとUXを分けて考えることが必要です。 UIは、商品やサービスの機能性を向上させ、使い勝手の良さを追求しましょう。Webサイトであれば、行間やフォント、ボタンの位置などが大きく影響します。UIの改善は、機能性・操作性を重視してください。

 一方、UXの改善では、ターゲットを理解しなければなりません。UXは、機能性や操作性だけではなく、色やデザインなど個人の趣味・嗜好に左右される傾向があります。UXを改善するためには、ターゲットを明確にした上で、その特性を理解する必要があります。年齢や性別、ライフスタイルなどによってターゲットを絞り、趣味・嗜好を考慮した上でUXを改善しましょう。

Web Browser UI UX Design Teamwork concept 3D illustration. Team People Building Creating website User interface Front view

UI/UXの違いを理解してデザインに活かす

 UIとはユーザーとサービスや商品の接点であり、UXはサービスや商品を通して得られる体験です。ユーザーを満足させるサービスや商品のためには優れたUXが重要であり、そのための要素としてUIがあります。 UI/UXをデザインする上で最も重要なのは、ユーザーは何を知りたいのか、どんな機能を求めているのか、きちんと分析し理解すること。UI/UXの意味や目的を理解し、デザイン制作に活かしてください。