『Pokémon GO』との違いは? 米国のNianticディレクターが語る『ハリー・ポッター:魔法同盟』のこだわり

『Pokémon GO』との違いは? 米国のNianticディレクターが語る『ハリー・ポッター:魔法同盟』のこだわり
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2019/10/03 08:00

 2016年7月に日本でもリリースされ、社会現象を巻き起こした『Pokémon GO』。あれからおよそ3年。『Pokémon GO』を開発したNianticが新たに仕掛けたのが『ハリー・ポッター:魔法同盟』だ。今回話を聞いたのは、Nianticのアメリカ本社でプロダクトのマーケティングディレクターをつとめるArchit Bhargavaさん。『Ingress』、『Pokémon GO』、『ハリー・ポッター:魔法同盟』などの作品に携わってきた人物だ。Bhargavaさんが語る『Pokémon GO』との違いや、制作にあたり心がけていたこととは。

AR技術の限界を超えられるように 『ハリー・ポッター:魔法同盟』で意識したこと

――Archit Bhargavaさんが担当している業務や、『ハリー・ポッター:魔法同盟』での役割について教えてください。

Nianticで世界全体を対象とするプロダクトのマーケティングのディレクターとして、『Ingress』、『Pokémon GO』、『ハリー・ポッター:魔法同盟』をはじめとするすべてのNianticの各サービスの戦略、立ち上げ、グロースなどのマーケティングに携わっています。『ハリー・ポッター:魔法同盟』では、ワーナーブラザーズ社のマーケティングチームと協力し、ポジショニングを含めた戦略や、トレイラー動画やロゴなどのクリエイティブまわりなどの責任を持つ役割を担っています。

Niantic, Inc. Director/Worldwide Product Marketing Archit Bhargavaさん

Niantic, Inc. Director/Worldwide Product Marketing Archit Bhargavaさん

――まずは、『ハリー・ポッター:魔法同盟』のコンセプトについてお聞かせください。

『ハリー・ポッター:魔法同盟』では、プレイヤーの皆さんそれぞれに魔法使いになっていただき、魔法界から漏れてマグルの世界(人間界)に混乱を起こしているものを調査しながら、ご自分の魔法スキルを上達していただきます。

というのが大筋の流れなのですが、実はこのゲームにはストーリーが存在しています。魔法界に問題が起こり、その影響で奇妙な魔法がマグルの世界のあちらこちらで発生している。そこで、魔法界を守るために魔法使いであるプレイヤーが一丸となり、近所やどこかの街などを探索。その途中で遭遇するキャラクターや魔法界の生物を、魔法のスキルを使って魔法界に送り返しながら、この大災厄の謎を解決していきます。

――大ヒットした『ポケモンGO』との違いで、なにか意識していた点はありますか?

『Pokémon GO』は「ポケモン」というキャラクターを中心に考えています。一方、『ハリー・ポッター:魔法同盟』で軸に据えているのは、マップの上やARでの体験など、そのすべてにおいて「魔法という『感覚』を日常の世界にもたらすこと」。プレイヤーの皆さんが出会う魔法界の人工物、キャラクターや生物の美しさや、死喰い人や狼人間、闇の魔法使いなどとの戦いのリッチさなど、モバイルゲームにおけるAR技術の限界を超えられるように努力しました。

マーケティングチームの皆さん(写真真ん中がBhargavaさん)
マーケティングチームの皆さん(写真真ん中がBhargavaさん)

また、Nianticのデジタルと現実世界をつなぐオペレーションシステム「Real World Platform」の持つパワーを利用し、ファンの皆さんがよく知っている魔法界の中のさまざまな場所にお連れする。そして、現実世界と仮想世界の間にいるような、ちょっと特別な体験をしていただけるように、ということも意識しました。

――『ハリー・ポッター:魔法同盟』では、どんな体験をユーザーにしてもらいたいと考えていますか?

最新の技術を駆使し、世界中でもっとも愛されているストーリーのひとつである世界に入り込んでいただきたいと思って制作しています。魔法の痕跡をたどったり、ほかの魔法使いの方々とともに「砦」で「魔法使いチャレンジ」に挑んだり、魔法の力が共有される「宿屋」を訪れたりしながら、「闇払い」「魔法動物学者」「教授」の3つの職業のうちからひとつを選び、スキルを磨いていただきます。

先日、アメリカのインディアナポリスで行われた「ハリー・ポッター:魔法同盟 ファンフェスティバル」には、ホグワーツを代表する魔女や魔法使いの皆さんが世界各地から集まってくださいました。皆さんが魔法界を守るために力を合わせて活躍されながら、思いきり楽しんでいらっしゃっているのを見て、とても嬉しく思いました。

――『ハリー・ポッター:魔法同盟』で、とくにこだわった部分について教えてください。

「Wizarding World」と呼ばれる魔法界やPortkey Gamesの各タイトルの根底には、J.K.ローリング氏が築いたすばらしい世界が存在しています。

『ハリー・ポッター:魔法同盟』で登場するドラゴンとマクゴナガル先生
『ハリー・ポッター:魔法同盟』で登場するドラゴンとマクゴナガル先生

『ハリー・ポッター:魔法同盟』にローリング氏自身が直接関わっているわけではありませんが、Nianticはワーナー・ブラザーズ・ゲームズ(WB Games)と、2017年にワーナー・ブラザース・インタラクティブ・エンターテインメントが立ち上げたゲームレーベル「Portkey Games」とともに、最新のAR技術を通して、ローリング氏の作品の中に流れるビジョンや価値に忠実であり、かつ、ファンの方々が夢中になれる魔法界を現実世界にもたらすことにこだわりました。魔法の痕跡や呪文(スペル)、「魔法使いチャレンジ」、魔法薬、ポートキーなど、NianticのReal World Platformを活用したたくさんのおもしろい機能を搭載していますので、ぜひお楽しみください。

――今後、『ハリー・ポッター:魔法同盟』でアップデートする予定の新しい機能などはありますか?

残念ながらまだお話することはできないのですが、いくつもの新しい機能を用意しているところです。こちらも楽しみに待っていてください!

――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

Nianticは、Real World Platformをさらに活用できる方法を常に模索しています。このプラットフォームを使い、インタラクティブな別の世界のレイヤーを重ね、現実の世界の限界を拡大することで、これまでにない、魅力的でエキサイティングな新しい体験を現実世界にもたらしたいと思っています。

同時に、より良い体験を提供できるよう、サービスの改善や新機能の追加を継続的に行い、ゲーム内で起こるイベントもより満足していただけるものにしていきたいです。

――Archit Bhargavaさん、ありがとうございました!