Notionに正しい使いかたはない 活用のユースケースやはじめの一歩を日本代表・西さんが語る

Notionに正しい使いかたはない 活用のユースケースやはじめの一歩を日本代表・西さんが語る
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2022/08/31 08:00

 ここ数年、個人だけでなく企業による活用も増加し、注目が高まっているワークスペース「Notion」。昨年10月には日本語ベータ版がリリースされ、いっそう話題を集めたことも記憶に新しい。ドキュメント管理やタスク管理だけでなく、サイトの作成やプロジェクト進行などさまざまなシーンで使うことができる“オールインワン”ワークスペースであるNotionはどのような背景で生まれたのか。またNotionが有効に働く活用シーンやそのポイントとは。Notionゼネラルマネージャー日本担当の西勝清さんに話を聞いた。

Notionが“京都生まれ”のプロダクトである理由

――まずは、西さんのこれまでのご経歴についてお聞かせください。

今までも、シスコシステムズ、LinkedIn、WeWorkといった外資系企業で働いており、Notionに入社したのは2020年9月です。

これまで4社を経験しましたが、「ネットワーク」「コラボレーション」「コミュニティ」が、一貫した私の興味関心です。

就職活動をしていた当時、ネットワークの力で人と人が遠隔でもつながっていくことに感銘を受け、シスコに入社しました。その次は、人と人のネットワークに興味を持ち、プロフェッショナル同士をつなぐSNSを提供するLinkedInに立ち上げメンバーとしてジョイン。その後、WeWorkの空間が持つコミュニティのパワーに魅力を感じ、WeWorkに転職したという流れです。

シスコやLinkedInといったIT企業を経験し、私はテクノロジーの持つ力やインパクトを最大限発揮する仕事が好きなんだと実感したときに話をもらったのがNotionでした。寝るのを忘れて夢中になって触るほど、プロダクトそのものに興味を持てたことも大きかったですね。現在はNotionのゼネラルマネージャー日本担当として、日本における営業、PRやマーケティング活動、オフィス環境を整えるマネジメント、人事など、ビジネスに関するオペレーション全体を担当しています。

Notion ゼネラルマネージャー 日本担当 西勝清さん
Notion ゼネラルマネージャー 日本担当 西勝清さん

――Notionはどのような背景で生まれたのでしょうか。

CEOのアイバン・ザオ(Ivan Zhao)が大学生の時、仲間からアプリやホームページの作成を頼まれ作っていたときに、「コーディングができない人でも自身でつくることができたら楽しいだろうな」と思ったことが最初のきっかけだったそうです。さらにコンピュータの生みの親とも言われるアラン・ケイやダグラス・エンゲルバートの文献を読む中で、「コンピューティングの力は世の中の誰もが共有するべき」という思考に影響を受け、誰もが思い描いたものを自由に作ることができるノーコーディングのプロダクトを開発しました。

ですが壁にぶつかり、2015年に一度失敗。のちにアイバン(Ivan)は、「みんなが欲しいものではなく、自分たちが作りたいものに注力しすぎた」と振り返っています。アイバン(Ivan)と共同創業者のサイモン・ラスト(Simon Last)は、当時の社員を全員解雇し、ゼロから出直すことになったんです。

そのタイミングでふたりは京都にやってきました。京都での経験をアイバン(Ivan)は「Reborn(再生)」と表現しており、京都の持っている職人気質な文化やホスピタリティ、デザインから影響を受けたと言います。そこから改めてプロダクトを開発し、2016年に今のNotionの原型ができあがりました。Notionの最初のコーディングの1行は京都で書いていたため、京都生まれのプロダクトであるとも言えるでしょう。

また現在のプロダクトに至ったのは、ノーコードであらゆるアプリケーションを作ることよりも、メモやドキュメントなど、多くの人々が日々触れる製品のほうが、みんなが求めるものに近いと考えたようです。とはいえ今のNotionもノーコード的な側面を持っていますが、「何でも作れる」よりも、ドキュメント執筆やタスク管理に軸足を置いたほうが、人々のニーズがあると考えたわけです。

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