iOSのヘルスケア機能で得られるユーザー体験――自分を知ることで見えてくるもの

iOSのヘルスケア機能で得られるユーザー体験――自分を知ることで見えてくるもの
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 デジタルプロダクション「factory4」でアプリやさまざまなIoTプロジェクトのUIUXデザインを手がける新谷友樹さんが、UIやUXにまつわるトピックについて解説する本連載。今回は、iOS(Watch OS)に標準で搭載されているヘルスケア機能についてです。

 こんにちは!株式会社Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUIUXデザイナー新谷です。今回はiPhoneやApple Watchに搭載されている、ヘルスケア機能にフォーカスしてみました。

 リモートワークが増え、普段から運動や健康に気を遣っている方も多いのではないでしょうか。そんな中、iOS(Watch OS)に標準で搭載されているヘルスケア機能がかなり秀逸なので、UIUXデザイン目線も交えながら考察していきます。

iOSの「ヘルスケア機能」使っていますか?

 まずは、iOSに搭載されている「ヘルスケア APP」を使ったことはあるでしょうか。デフォルトでインストールされているので、アイコンを見たことがある方も多いと思います。「ヘルスケア」アプリはその名のとおり、歩数や消費カロリー、体重、血圧、睡眠時間など健康に関するさまざまな情報をまとめて記録し、共有することができます。

出典:iPhone や iPod touch でヘルスケア App を使う - Apple サポート (日本)
出典:iPhone や iPod touch でヘルスケア App を使う - Apple サポート (日本)

 Apple Watchなどウェアラブル端末や別の健康アプリと連携することで、スポーツやフィットネスにも活用することができ、さらにはカロリーや水分の摂取量、手洗いの時間などいろいろな生活情報も記録することができ、それらのデータをもとにアドバイザーとして体調をサポートしてくれたりもします。

 「iOS 16」では、服用している薬を管理したり確認するための新しい機能も登場したり、ヘルスケア共有はさらに充実し、睡眠アプリも大きく進化しています。こちらは正式にリリースされた段階でまた紹介できたらと思います。

自分を知ることで健康を見る目が変わる

 昨今、健康志向が高まる中で、コロナ禍などもあいまって自分自身と向き合う時間も増加。個々で運動することや健康維持に対する意識も高まっている印象です。ランニングにウォーキング、ジム通い、ヨガ、食、サプリメントなどに興味のある方も増えているのではないでしょうか。Youtubeでもトレーニングのハウツー動画などは人気コンテンツとなっていますよね。

 私も週2回ジムに通って筋トレやランニングを行っています。運動不足解消、身体維持、ストレス発散などが目的ですが、それに加えてデイリーでiOSのヘルスケア機能も使っています。理由は日々の自分自身を知ることで健康に対する意識やモチベーションの向上・維持が行いやすいからです。

健康データをチェックしやすいUI設計

自分の身体について知れば知るほど対策も取りやすくなり、意識が向上します。ヘルスケアアプリはアクティビティをチェックしやすいUI設計になっており、ユーザーの健康データをひとめで理解しやすい、シンプルなインターフェースとなっています。

下部のタブで概要(ホーム的な役割)で表示した項目がまとめられ、ブラウズ(確認したい項目の編集)を切り替えるシンプルなインターフェース。
下部のタブで概要(ホーム的な役割)で表示した項目がまとめられ、ブラウズ(確認したい項目の編集)を切り替えるシンプルなインターフェース。

健康を見守る豊富なカテゴリとアクティビティ

ヘルスケアで記録できる項目は[ブラウズ]のメニューから見ることができます。アクティビティ、栄養、心臓、睡眠など十数個の大カテゴリに、さらにそこから細かい項目や詳細にわかれています。代表的な機能のアクティビティだけでも歩数や距離、上がった階数などさまざまな記録を管理でき、ひとめで確認することが可能です。

[概要]から、歩行速度や歩数などの各項目に遷移し詳細を確認する。
[概要]から、歩行速度や歩数などの各項目に遷移し詳細を確認する。

[よく使う項目に追加]することで[概要(ホーム画面のようなもの)]にまとめて表示することで即時に確認もできますし、記録を習慣づけることで健康状態や体調管理を簡単にチェックすることができるようになります。

また、ブラウズにある各項目のページを下までスクロールすると、それぞれの項目についての解説があり、健康にどのように役立つのかなどを具体的に知ることもできます。

 そのほかには、就寝時間や睡眠の内容を分析したり、聴覚をチェックする項目もあります。身近な生活習慣を記録したり、[症状]の項目では病院の問診のように症状をチェックしたりすることで、客観的な体調管理にも活用することができます。

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