印象的な面接がきっかけでエムスリーに/肩書は全員「デザイナー」
――まずは古結さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
芸術系の大学で映像を学び、卒業後はTOKYO FMの映像配信事業に携わりました。その後、ウェブデザイナーとしてキャリアを積んでいきましたが、帰りは早くて終電。30歳になり、この生活を続けていくのかと思ったときに、「もう少し考えて動けるデザイナーになりたい」と転職活動を始めました。
当時は、医療に対して特別強い課題意識を持っていたわけではありませんでしたが、エムスリーの面接が非常にユニークだったんです。面接官がホワイトボードにロジックツリーのようなものを書いて「このどこに改善点があると思いますか?」と聞かれ、ペンを渡されました。まさにそういう思考で仕事をしたいと思い転職活動をしていたため、それがエムスリーに入社する決め手となりました。それが2009年です。
エムスリーは当時から、情報設計をするメインとするデザインチームが自社内にありました。そこで私は8年間、ウェブデザインやUIデザイン、グラフィックデザインを担当。後半の4年間は新規プロダクトの立ち上げにも携わりました。
その後、マネジメントや組織づくりなどに関わりたいという思いから、2017年に一度エムスリーを離れ、ビズリーチでデザインマネージャーとしてチャレンジをしていました。ただ2020年に力を貸してほしいと声をかけてもらったことを機に再びエムスリーに。デザイン組織のマネジメントのほか、CDOとしてエムスリーのプロモーションデザインやプロダクトデザイン、コーポレートブランディングを推進・実行しています。
エムスリー全体に言えることですが、組織体制は極めてフラットです。現在正社員では22名のデザイナーが在籍しており、ひとつのデザイングループとして動いています。その中で事業ごとにチームがわかれていますが、チームによる壁はありません。
そしてデザイングループに所属する全員の職種は「デザイナー」です。事業やプロダクトのプロモーション時には、BXデザイナーやプロダクトデザイナーという言葉を使うこともありますが、私も含め、期待されている役割は「デザイナー」なんです。
また、事業やプロダクト、マーケティングプロモーションなど、何に関わるかによってデザイナーの役割が大きく異なるため、デザイン組織全体に求めることも、明確に定義していません。動画を制作する人もいれば企画プランニングを担う人もいる。事業に貢献するという目的に向かって、個人のスキルや経験、思考を活用していくことが求められます。