トレンドは?収益を得るには? 海外展開を考えているキャラクリエイターが知っておくべきこと

トレンドは?収益を得るには? 海外展開を考えているキャラクリエイターが知っておくべきこと
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 クリエイターエコノミー協会の調査でもクリエイターの課題の一位が「収益化」であるように、クリエイターにとって「収益を得ること」は古今東西つねにつきまとい続けている課題です。 それでもテクノロジーの進化などの社会変化によって、クリエイターが収益を得る方法は増え続けて、10〜20年前では存在しなかった形で生計を立てるクリエイターが増えています。そんなクリエイターの新しい収益方法とその実態について、コンテンツプロデュース会社のMintoが5回にわたって解説します。第3回は、Mintoのタイやベトナム、中国の支社から集めた情報をふまえ、キャラクリエイターの海外展開についてお伝えします。

 ⽇本のキャラクターは以前から世界各国で⼈気を博しています。

 アメリカの⾦融会社TITLE MAXが2019年に発表した、IPのメディアミックスにおける総収益ランキングによると世界第1位は約921億ドルのポケモンで、2位はハローキティ、さらにアンパンマン、マリオがつづくなど、トップ10のうち5つのIPが⽇本発です。

 これらのIPはゲームなどを⺟体に、企業が現地でネットワークを開拓し、数年、ときには数十年という長い時間をかけて⼈気を勝ち得てきました。

 最近ではSNSを活用し、海外で人気を得るキャラクターも増加。弊社のキャラクターである「うさぎゅーん」や「ベタックマ」は東アジアや東南アジアを中⼼にスタンプが6億以上ダウンロードされているほか、「ビジネスフィッシュ」のダウンロード数は、北米を中心に3 億を超えています。さらに日本で2017年に登場した「ちいかわ」も、韓国をはじめ各国で人気急上昇中です。

海外で認知を獲得する⽅法

 個人のクリエイターとして、海外に自分のキャラクターを展開するためのもっとも手軽に始める手段は「SNS」。狙う地域としては、文化的にも近く親しまれやすいアジア圏、あるいは市場が大きい北米のどちらかを考えるのが良いかと思います。

 英語圏ではFacebookを中心に、InstagramやYouTubeで、最近ではTikTokから新たなキャラクターが生まれています。少し古いですが「Pusheen」や「Simon's Cat」は、SNSを活かし、アメリカを中⼼に世界中で人気となりました。

 中国では、中国版Twitterと言われている「Weibo」が王道ですが、最近は急成⻑しているショート動画系のプラットフォーム「抖⾳(ドウイン)」「RED」「快⼿(クアイショウ)」などもIP を⽣み出しています。弊社でプロデュースする「⽶糕狗(omiljomil_kedaengee)」と いうキャラクターは、最近抖⾳でバズったことがきっかけで、Weiboのフォロワー数が10倍になりました。

 また、中国版LINEにあたるWeChatも、個人でスタンプを配信することが可能です。最近では日本発の「優しいうさぎさん」のシュールな世界観が中国人の間で話題となり大ヒット。グッズの売れ行きも好調なようです。ただしWeChatのスタンプは基本的に無料のため、あくまで認知獲得としての活用となります。

 ちなみに世界で使われているチャットアプリというと、WhatsApp、Facebook Messenger、Telegram、 Viber、Zaloなどあり、それぞれスタンプを使うことができます。ただLINEのように、個人が誰でもスタンプ配信を申請できる仕組みになっているものはほとんどなく、弊社のよう な指定の企業や団体に対し、配信枠が割り振られてるケースが⼀般的です。またスタンプの販売が有償となっているアプリは、世界全体を見渡しても、韓国のKakaoTalkとLINE以外は あまりありません。

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