さまざまSNSを活用し、今では全アカウントの合計フォロワー数は75万超え
――はじめにご経歴と現在の業務、SNS運用の実績についてお聞かせください。
2006年に森ビルに中途入社し、六本木ヒルズの展望台やギャラリーの企画・広報・営業などに携わりました。その後、部署異動で2014年から森美術館のプロモーションを担当することに。SNSを活用して展覧会情報などをリーチさせていく活動をメインに、デジタル以外の通常のプロモーションも担当しています。
2014年時点ですでにFacebookとTwitterのアカウントはあり、フォロワー数はあわせて約8万ほどでした。その後、InstagramやTikTokのアカウントを立ち上げたりしていくなかで、フォロワー数も拡大し、現在はすべてのSNSアカウントを合計すると約75万フォロワーの規模になりました。
Instagramの立ち上げは2015年ごろ。画像がメインとなる媒体のため美術館と相性が良いだろうと思いスタートしました。比較的早いタイミングだったのではないかと思います。
一方TikTokを始めたのは2021年から。SNS運営はすべて僕ひとりで担当しているため、新しいことを始めると負荷が増えますし、動画での投稿はハードルにも感じました。ただ、TikTokのオススメにのると拡散されやすくなる独自のアルゴリズムが今の時代に合っていると感じ、思っ切って始めてみることに。その当時行っていた展覧会では展示室に作家自身が解説するムービーが流れていたため、その素材を活用しました。作家の顔だけが映っていてもあまり目にとめてもえらえないと思ったため、縦型動画の上半分を作家の解説動画、下半分に僕が撮った作品の動画を入れて、両方を同時に見せる形にしました。
また、現在は継続していませんが、Clubhouseで館長とキュレーターのトークルームを番組化したこともあります。Threadsにも早々にアカウントを作り、すでに2万4千人を超える方にフォローしていただいています。いろいろと実験もしながら、これまで進めてきました。
なるべく敷居を下げるクリエイティブを意識
――クリエイティブづくりで意識していることはありますか?またプラットフォームごとの使い分けについてもお聞かせください。
暗く、難しい印象を持たれないように気をつけています。もちろん作品ごとに暗いテイストもあれば、明るくキャッチーなものもあるためバランスよく出しますが、SNSの温度感にも合わせるように投稿しています。「映える」写真ばかり使うわけではありませんが、やはりタイムラインに流れてきたときは心地よいもののほうが見てもらえますよね。ユーザーは0.1秒くらいで判断するため、なるべくストレスをかけないようにしたい。美術館の投稿は一般企業や個人の投稿にくらべて少しハードルが高いと感じる方もいると思うので、なるべくわかりやすいクリエイティブで文字も少なめにするようにしています。
Twitterは流し見しながら情報収集される方も多いため、その際に検索に引っかかり拡散につながるよう、ハッシュタグを入れたり、投稿頻度を上げたりしています。Instagramは海外のフォロワーも多いため、なるべくテキストを日本語と英語にしたり、画像もTwitterと違うものを使ったりしています。
Instagramの画像の撮影はおもに私が行っており、動画も撮影して編集まで行うこともあれば、映像クリエイターさんに外注するケースもあります。クリエイターさんとは相談しながらもある程度自由に制作していただき、美術館として必要な情報やルールの部分をフォローしてまとめています。TikTokはまだ手探りの段階ですが、極力展覧会の中身がわかるようなクリエイティブを作っていこうと研究しているところです。