MIXI 執行役員 CDOの横山です。MIXIのデザイン本部では、全社人事評価制度をデザイン職向けに翻訳した独自の評価指針を3年半前に定め、以来運用しています。指針は、[1.グレードに求める視座][2.必要なスキル][3.次のグレードへの登り方]で構成し、これまで7回の細かな改訂を行ってきました。
今回の記事では、評価指針のつくり方、そしてマネジメントチームが現在、どのように運用し発展させているのかについて紹介します。
独自の評価指針をどのようにつくったのか
評価指針をつくるうえで参考にしたのは、MIXI開発本部の指針です。特徴は全体がエンジニアのロールで設計されていることや、ロールごとの成果の期待が明瞭な点にあり、この指針の存在が、デザイン職の指針をつくる大きなきっかけのひとつになりました。
くわえて、上位のグレードでもIC(Individual Contributor/個人貢献者)としての組織貢献が定義されている点が、デザイン職にも大いに参考になると考えました。
開発本部の指針をベースに、デザイン職であればどのような動きになるのか、グレードごとに何をどこまで求めるのかを設計し、マネジメントチームと何度もディスカッションしながら、「抜け落ちている視点がないか」「どうするとより汎用的か」「どうなると運用しやすいか」など検討を進め、少しずつ輪郭をつくっていきました。
なぜ「視座」を入れたのか
私がこれまでみてきた範囲の話になりますが、事業会社で成果を出すデザイン職には、「常に未来を見据える大局観のような視座を獲得している」という共通点があるように思います。
一方で「視座」はクリエイティビティを磨く、あるいは経験を積む延長線上で、自然と身につけられるものとは考えにくく、とくにデザイン職の場合は、意図的に身につけにいかなければ獲得しづらいものではないかと私は捉えています。
そうであるなら、グレードごとに求める視座を定義し、上位に行く工程で1つひとつ身につけていくのが、理にかなっているのではないかと考えるようになりました。
何を「スキル」と捉えるのか
私たちは事業会社のデザイン職として、デザインを武器に何を成すのか、成すためにどう接続していくのかまでをやりきる力がなければ、なかなか成果までたどり着くことが難しい職能なのではないかと捉えています。
上位にいくほど成果の難易度が上がるのであれば、デザインを推進するリーダーシップの形こそが、必要なスキルであろうと考えるようになりました。
「次のグレードへの登り方」で解像度を上げる
評価指針を定義する目的は、多くのデザイン職がより上位のグレードに上がるまでの時間を少しでも早くすることです。そのためのきっかけとなるようなステップを複数用意し、現場の目標設定やフィードバックの目印にできるものになるよう、1つひとつ設計していきました。