「技術単体が有用なわけではない」 Perplexity AIのHead of designが語る、AI時代のデザインと製品開発

「技術単体が有用なわけではない」 Perplexity AIのHead of designが語る、AI時代のデザインと製品開発
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2024/07/12 08:00

 ソフトバンクとの提携により日本でも注目が集まっているAI検索エンジンの「Perplexity」。Figmaが6月にアメリカ・サンフランシスコで開催した年次イベント「Config 2024」では、「Perplexity」を提供するPerplexity AIでデザイントップを務めるHenry Modisett氏がセッションを持ち、ソフトウェア開発におけるデザインの役割について語った。本記事では、その様子と、会場で行ったHenry Modisett氏への単独取材の内容をまとめてお届けする。

数十ものウェブサイトを自動リサーチする“回答エンジン”

 Perplexityは2022年創業のAIスタートアップの1社。AIスタートアップといえば、「ChatGPT」のOpenAI、「Claude」のAnthropicなど、ここ10年ほどで次々と誕生している。そのなかには、CEOが辞任した英国のStability AIのように、大量の資金を手にしながらトラブルに陥った例も出てきている。

 Modisett氏は、AIスタートアップは大きく2つに分類している。ひとつは「フロンティアAI」とModiseett氏が称するインテリジェンスを構築している企業で、もうひとつはAIを活用してユーザーにサービスを提供する会社。Perplexity AIは後者に該当する。

 「人々はAIを使って何をしたいのか、AIで何ができるのかを私たちは考えている」とし、そうして至ったPerplexityとは、「AIがあるからこそ実現した『answer engine(回答エンジン)』で、情報を得るための新しい方法」だと説明した。

 具体的にPerplexityはAIを活用して何を実現するのか。Modisett氏は「自動化されたリサーチツールであり、あらゆる質問に答えることができる」と言う。

「Perplexity AIはインターネットにあるリアルな情報を利用しており、ユーザーのあらゆる問いに迅速かつ正確に答えます。簡単な調べ物から複雑な質問まで、一貫して答えられることを目標としています」

Perplexity AI, Inc. Head of Design Henry Modisett氏
Perplexity AI, Inc. Head of Design Henry Modisett氏

 天気を聞くこともできれば、「私はベジタリアンで1日1マイルしか歩きたくない。○○エリアに滞在したいという条件で東京の旅行プランを作って」といった複雑な質問にも答えることができる。検索エンジンであれば、入力したキーワードに対して複数のウェブサイトが表示されるだけだが、Perplexityは数十ものウェブサイトを自動的にリサーチしたうえで答えを返してくれる。

 Modisett氏の言葉にあるように、強みは「正確さと10秒以内という迅速さ」だ。

「言葉では表現しきれないので、まずは使ってみてほしいです。30ものことなるウェブサイトを自動的に調べ、数秒でパーソナライズされた回答が出てくる。びっくりするような体験です」

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