パーソナライズAIが「コンシェルジュ」に
CES 2025では多くの日本企業も存在感を放った。
パナソニックグループ発のベンチャー「Panasonic Well」は、デジタルアシスタント「Umi」を発表。AIと専門家のコミュニティを統合したデジタルウェルネスサービスで、人びとが健康的な習慣を身につけるのを支援する。
Panasonic Wellの松岡陽子CEOは基調講演で、「家族とは、核家族であれ、近所の人びとであれ、私たちが大切にし、親しくつながるすべての人びとを意味する。すべての家族が、より多くの喜びと少ない悲しみを求めている」と語り、1人ひとりに適したウェルネスルーティンを通じて、家族がつながることをも支援したい考えを示した。
旅行業界では、デルタ航空がパーソナライズされたAIシステム「Delta Concierge」を発表。同社の「Fly Delta」アプリに組み込まれることになる。同社のEd Bastian(エド・バスティアン)CEOは、「私たちの顧客がだれであり、どのような旅行を好むかという文脈と、私たちが築いてきた深い知識や洞察とを、AIのパーソナルアシスタントを通じて組み合わせることが、ビジョンだ」とコメント。
パーソナライズされたAIは今後ますます個別化され、役立つ「コンシェルジュ」へと進化していくだろう。
世界の課題を解決する“楽観的な”テクノロジー
CTAのKinsey Fabrizio(キンジー・ファブリツィオ)会長は、「テクノロジー業界は、私たちの子どもたちや孫たちに受け継がれる未来の世界を形づくるうえで、勢いと影響力を持っている。世界を次世代に引き渡すにあたって、非常に楽しみな見通しを持っている」と語った。
同氏の言葉が示唆するように、今年のCESは全体的に「医療や長期的な視野での持続可能性」など世界の課題解決に向けた、楽観的で希望に満ちたテクノロジーが多く展示された。これは、本記事で登場した製品群にも表れているだろう。
かつて、CESで披露される製品には、先進的なコンセプトや体験を提供する可能性を示しつつも、それに対して技術が追いつかず、実現されないものも少なくなかった。しかしその状況も、驚異的なテクノロジーの進歩によって変わりつつあるのかもしれない。