ヤマハは、フライブルク音楽大学(ドイツ・フライブルク)が日本時間6月10日に実施した入学試験に協力し、同社の自動演奏機能付きピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」を用いて、ドイツと日本、中国をインターネットで接続して、遠隔地からでもピアノ演奏の実技試験を受けることができる「リモート入学試験」をサポートした。
同校は、さまざまな国・地域の学生が学び、著名な音楽家を数多く輩出する国際色豊かな名門音楽大学。例年6月に行われる同校の入学試験には、世界各地から受験者が訪れ器楽演奏などの実技を含む試験に挑むが、今年は、足元の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外国人が現地で受験することが難しくなっていた。この問題を解決するために同校では、同社が提供する楽器・技術を活用して、遠隔地からでもピアノ演奏の実技試験が可能になるリモート入学試験を初めて導入した。
Disklavierは、アコースティックピアノとして演奏するだけでなく、ヤマハ独自の高精度デジタル制御システムによって繊細な鍵盤タッチやペダルの動きを極めて精確に再現できる自動演奏機能を搭載したハイブリッドピアノ。自身の演奏を録音再生できるほか、アーティストの演奏を記録したデータを再生して自宅にいながらアーティストの演奏音を生音で楽しむこともできる。
同取り組みでは、同製品の自動演奏機能とネットワーク接続機能を活用し、遠隔地に設置した複数のDisklavierをインターネット経由で接続することで、それぞれのDisklavierで演奏したデータをお互いに送受信し、演奏したとおりの鍵盤やペダルの繊細な動きを、離れた場所にあるピアノで正確にかつほぼリアルタイムに再現することができる。
今回の実技試験は、日本で2名、中国で1名が遠隔地からの受験に参加。日本のヤマハホール(東京都中央区銀座)、中国の当社現地法人オフィス(上海)とドイツのフライブルク音楽大学に設置した同製品をそれぞれネットワークで接続して、日本と中国での受験者による演奏を、遠く離れたドイツのピアノで忠実に再現し、それを試験官が評価する方法で実施された。