NEC、ローカル5Gや映像分析など活用の実証施設開設 モビリティサービスや自動運転支援など共創の場に

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2020/11/10 06:00

 NECは、新しい道路交通インフラ社会の実現に向けて、ローカル5Gや映像分析などの先進技術を活用し、インフラ協調型のモビリティサービスや自動運転支援などの検証・評価や、パートナー企業との共創の場として実証施設「NECモビリティテストセンター」を御殿場市に開設した。

 インフラ協調とは、車両と道路付帯物などのインフラが無線通信で迅速かつ適切に情報をやり取りし、事故の抑止や渋滞緩和、自動運転支援などを実現するための仕組み。

 政府が推進する「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(IT新戦略)」において、次世代通信規格5Gと交通信号機との連携による新たな道路交通インフラの実現に向けた指針が掲げられており、2020年度から基本仕様やロードマップなどの策定が進められ、今後実証実験の実施も計画されている。

 今回同社では、インフラ協調型のモビリティサービスの実現やインフラに設置したセンサーから得られるデータの活用を通して、人・インフラ・モビリティが支えあう安全・安心で人にやさしいまちづくりへの貢献を目指し、新たに同施設を開設した。

 同施設には、信号灯器や横断歩道といった疑似的な交差点などの道路設備の設置に加え、ローカル5G基地局やC-V2X(Cellular Vehicle-to-Everything/⾞⾞間・路⾞間の他、歩⾏者などとの通信も含まれる通信技術)路側機などの無線通信設備、路側カメラやAI用エッジ処理装置などのエッジコンピューティング設備を設置し、バス・乗用車などの車両や電動車いすも配備。これまで道路交通の高度化やインフラ構築に貢献してきた同社のノウハウ・設備リソースを活かしながら、インフラ協調型のモビリティサービスの実現に向けたさまざまな評価・検証を行うという。

 同社は、同施設において、同社のローカル5Gや映像分析、AI・IoTといった先進技術と、パートナー企業・団体の技術やノウハウを組み合わせ、次世代のモビリティサービスの技術開発やシステム検証を推進し、新たな価値創造や社会課題の解決を目指して取り組んでいくとのこと。

NECモビリティテストセンター 概要

  • 所在地…静岡県御殿場市1-150-1
  • 全⻑…約120m
  • コース内容…直線路 約100m
  • 常設機器…信号灯器、信号制御機、5G基地局、AI⽤エッジ処理装置ほか

今年度想定する実験

ローカル5Gと⾞⾞間・路⾞間の通信を組み合わせ、次の実証およびデモを予定。

通信のイメージ
通信のイメージ
ローカル5Gと映像分析の先進技術実験

 ローカル5Gを⽤いて、道路付帯物に設置したカメラで交差点の俯瞰的な映像を取得・分析。横断者情報や衝突予測情報、速度超過⾞両情報を周囲の5G端末搭載⾞両へ通知する。通常では死⾓となりうる位置の危険⾞や⼈もデジタル情報化することで、安全・安⼼な運転⽀援や⾃動運転につなげる実験を行う。

交通マネジメント実験

 通⾏する⾞両や歩⾏者をカメラ画像より認識・分析。渋滞情報の基礎となる交通量のリアルタイム検知とともに、同時に通過⾞両のナンバープレートを識別する。また、地域外からの流⼊⾞両数の把握や、時間帯による⾞両・歩⾏者量の変化をとらえるなど、交通マネジメントや街づくりに貢献するための実験を⾏う。

道路インフラのマネジメントの実験

 路側のカメラで路⾯状況の画像を取得・分析して、落下物や倒⽊などのインシデントをリアルタイムに把握。また、その周辺にいる5G端末搭載の⾞両へリアルタイムに通知して注意喚起する。将来的に、街の道路維持管理や事故・災害時の状況把握などに活かすため実験を⾏う。