アップル、macOS Big Surを無料のソフトウェアアップデートとしてMacユーザーに提供

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2020/11/17 06:00

 Appleは、デスクトップオペレーティングシステムの最新バージョン、macOS Big Surを無料のソフトウェアアップデートとしてMacユーザーに提供した。同バージョンには新しいデザインが採用され、Safari、メッセージ、マップなどの主要アプリケーションへの新たな機能強化が行われた。Big Surは、新しい13インチMacBook Pro、MacBook Air、Mac miniでのmacOSの体験がさらにより良いものとなるよう、そのコアにいたるまで、M1チップのすべてのパワーを最大限に活かすことに徹底的にこだわって設計されているとのこと。同バージョンの特徴は、次のとおり。

デザイン

 より操作しやすい広がりのある新デザインを採用し、ユーザーがコントロールできる選択肢も増えた。

 Dockの各アイコンはMacらしさを残しながら、同社のエコシステム全体との統一感が高められ、デザインや操作感の一貫性がアップ。また、アプリケーションの新しいデザインにより、ユーザーはコンテンツに集中してアプリケーションを操作することがこれまでより容易に。ボタンやコントロールは必要なときに表示され、必要のないときには非表示となるため、視覚的な複雑さが低減され、重要なコンテンツが前面に表示されるようになっている。

 新しいコントロールセンターでは、ユーザーは「おやすみモード」、ディスプレイ、キーボードの輝度などのコントロールに、メニューバーから直接、すばやくアクセスできるように。インタラクティブな通知や、デザインを一新したウィジェットなどのアップデートが行われた通知センターでは、ユーザーはより重要な情報を一目で確認できる。

Safari

 M1を搭載したMacのSafariは、JavaScript実行時の速さが最大1.5倍に、反応の良さがおよそ2倍に。4K HDRのYouTubeとNetflixが視聴可能となる。

 タブのデザインが一新され、画面により多くのタブが表示されるほか、タブ上にカーソルを重ねるだけでページプレビューをすばやく表示、また見つけやすいようにデフォルトでファビコンが表示されるようになる。

 ウェブ閲覧時には、カスタマイズ可能なスタートページにユーザーが自分だけの背景画像やリーディングリスト、iCloudタブなどを追加できるようになる。また、翻訳機能が組み込まれ、Safariがウェブページ全体から7つの言語を検知して翻訳可能。また、エディターによるおすすめやランキングなどのカテゴリーが設けられたMac AppStoreでは、新しいSafariの機能拡張を容易に見つけてダウンロードすることができる。

メッセージ

 会話をメッセージリストの上部にピンで固定して、すばやくアクセスできるほか、検索機能が刷新され、ユーザーはリンク、写真、一致する言葉を瞬時に見つけることができる。MacのためのメッセージはiPhone、iPad、Apple Watchとシームレスに連係し、会話は常に同期される。

 また、楽しいエフェクトを使って、Macユーザーは風船や紙ふぶきなどでメッセージを個性的に彩ることが可能。Mac上でミー文字を作成してカスタマイズすることもできる。さらに、新しい写真ピッカーと#イメージを使えば、画像、GIF、動画を容易に共有することができる。

 新しいグループメッセージ機能により、家族や友人、同僚とのやり取りをすっきりと整理可能。インラインの返信でユーザーはスレッドの中のメッセージに直接返信も。相手の名前を入力することで、グループチャット内の特定の相手にメッセージを送ることも、相手の名前が言及されたときだけ通知を受け取ることを選択することもできる。写真や絵文字を会話に設定し、グループチャットをさらにカスタマイズ可能となった。

マップ

 信頼するブランドから作成されたガイドを使って行きたい場所ややりたいことを見つけたり、お気に入りのレストラン、公園、観光のアイデアなどのカスタムガイドを作成し、友人や家族と共有したりできる。

 Look Aroundを使えば目的地を臨場感あふれる360度ビューで確認可能。新しい詳細な屋内のマップは主要な空港やショッピングセンターの移動に役立つ。そして今回初めて、自転車や電気自動車で移動する際は、Mac上で経路を確認し、その経路をiPhoneに直接送信して、移動しながら見ることができるようになったという。

デベロッパ

 同社の2,800万を超えるデベロッパのコミュニティが、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、およびtvOSに必要なツールにアクセス可能。

 macOSがAppleシリコンへの移行を容易にするためのさまざまなテクノロジーを提供するため、アプリケーション開発がこれまで以上に容易に。Xcode 12により、デベロッパは既存のMacアプリケーションをUniversal 2アプリケーションバイナリに容易にアップデートでき、ひとつのアプリケーション内にM1ベースとIntelベースの両方のMacのネイティブサポートを追加可能。Neural EngineがMacに搭載されたことで、ベロッパには機械学習アプリケーションの新たな機会を得ることができる。

 Rosetta 2はBig Surの新しいテクノロジーで、ユニバーサルへのアップグレードが済んでいない既存のIntelベースのアプリケーションが、Appleシリコン搭載のMacでシームレスに動作することを可能に。

 デベロッパは、追加の作業をしなくても、iPhoneやiPadのアプリケーションをMacユーザーに提供することを選択できるため、ユーザーはより幅広い種類のアプリケーションにアクセスできるようになる。

 さらに、Big Surの基盤はM1に最適化されている。これには、MetalによるグラフィックスやCore MLによる機械学習などのデベロッパテクノロジーも含まれる。