18歳意識調査、日本のデジタル化「遅れている」38% デジタル庁創設「期待する」39%/日本財団調査

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2020/12/31 05:00

 コロナ禍によりデジタル化が一層加速するなか、日本財団は「デジタル化」をテーマに32回目の18歳意識調査を11月中旬に実施した。その結果、日本のデジタル化に対する評価は「遅れている」38.1%「遅れていない」31.2%と意見が割れている。

 同調査結果の詳細は、次のとおり。

日本のデジタル化 「遅れている」38.1%「遅れていない」31.2%

 デジタル化が遅れていると思う理由の多くは、教育現場でのデジタル化の遅れについてだった。主に、コロナ禍による休校の際にオンライン授業の対応ができていなかった点が指摘され、「コロナ禍で教育現場はオンラインに対応せざるを得なくなったが、それが十分にできなかったから」「非常事態宣言のとき、公立校はオンライン授業に対応できなかった」など、オンライン授業導入の遅れや学校ごとの対応の差が挙がった。

 遅れていると思わない理由として、「進んでいるように感じるから」「もっと遅れてる国もあるし、全体で見たら進んでると思う」など、進んでいると思うという意見や、「進んでると言われたら、そうでも無いところもあるけど、遅れてることはないと思うから」「世界各国と比較して特に遅れている印象は受けなかったから」など、ほかの国と比較して遅れてはいないという意見が挙がった。

デジタル化の活用を進めてほしいもの「オンライン授業」35.9% 国を挙げてデジタル化推進「必要」65.5%

デジタル化を進めることが必要な理由「国力の維持・向上」52.8%「行政サービスの迅速化・簡素化」52.4%

行政手続きのデジタル化が遅れている理由「書面や対面主義など根強い慣習」34.1% 「苦手意識」31.8%

デジタル庁の創設によりデジタル化が進むと期待するか「期待する」39.1% 「期待できない」20.0%

 デジタル庁に期待する理由として、「デジタル化が専門的な視点から進むと思う」「専門家達があつまるなら進むと思う」といった専門性への期待。また、「そのような省庁が作られたからには、デジタル化が進むのが道理だと思うから」「少なくとも行政側でも改革していこうという意識はある、と考えられるから」「新たに省庁が設けられることが、改革のきっかけとなることを期待するから」など、省庁が創設されることへの評価も多く見られ、国が推進していくことに期待を寄せている。

 期待できない理由として、「デジタル化する割には役員が高齢である印象。若くてデジタル化に強い人材を入れるべき」など年齢への指摘、「デジタル庁の人材がデジタルなモノをしっかり使いこなせるのかが不明」「パソコンに慣れてなさそうな人たちが話し合っても意味ないから」などデジタルに精通していない議員や人材が関わっても期待できないという意見が多く見られた。

デジタル化推進に必要なこと「学校教育におけるICT教育の推進」「国が率先してデジタル化を進める」 ともに25.6%

日常的に使用するもの「パソコン」56.7%「スマートフォンやタブレット」91.2%

プログラミングに関心35% 現学校や家でプログラミング言語を学んでいる人は全体の19%

自身にデジタル化に必要な知識「身についている」23.5% 「身についていない」51.2%

 「デジタル化に必要な知識が身についていると思うか」の質問には、日常的にパソコンを使用している層では、「思う(=身についている)」が30.3%と、パソコンを使用していない層に比べて2倍となった。

デジタル化社会における教育で必要と考えるもの「プログラミング言語やITリテラシーの学習」「学校のICT環境を整備」ともに42.7%

調査の概要
  • 調査対象:全国の17歳~19歳男女
  • 調査除外:印刷業・出版業/マスコミ・メディア関連/情報提供サービス・調査業/広告業の関係者は調査から除外
  • 実施期間:2020年11月13日(金)~11月17日(水)
  • 調査手法:インターネット調査