理経は、韓国のTEGWAY社と共同で、VR映像に連動して温度を体感することが可能なVRシステムを開発。自治体や企業の災害訓練向けに理経が納入している「防災訓練用VR ~火災避難編~」に、熱体感デバイスを組み合わせたVRシステムを1月から提供開始する。また、両社は事業展開における戦略的なパートナーシップを締結した。
VRを活用した災害訓練では、いかに高精度な映像や音声を利用したとしても、実際の火や煙の怖さを体験するリアリティに限界があった。TEGWAY社が開発した触覚を通じて情報を伝達する技術『VRハプティクス』を搭載した装置「ThermoReal」は、技術見本市であるCESアワードでイノベーション賞を受賞するなど高い評価を得ており、今回、その装置の価値をさらに高めるVRシステムを理経が構築した。
両社が開発した同製品では、VR映像と連動して、装着したデバイスに10~45度の範囲で温度変化を起こすことができる。温度の再現が加わることで、より没入感の高いVR体験が可能となる。
高速な温度変化
従来の温度デバイスは、熱くすることはできても急激に温度を下げることが困難だった。同技術では、温度上昇・下降を数秒間の間に変化させることが可能。また、熱くなり過ぎた場合は、自動的に加熱が停止するセキュリティシステムが組み込まれている。
VR映像との連動
VR空間内の映像と連動して、温度デバイスの温度が調整可能。たとえば、VR内で燃え盛る火に近づくとデバイスは熱くなり、離れると温度は低下する。また複数のデバイスを付けている場合は、火に近づいた部位のみが熱くなる、といった変化も可能だという。また温度変化は段階的に設定ができ、「火に近づくほど徐々に熱くなる」といった感覚が再現できるとのこと。
今後は、理経が提供している火災の避難体験以外の安全教育や自動車分野においても、温度体験の要素を追加し、展開していく考え。