公文教育研究会は、2020年11月、小学校1~3年生の子どもがいる世帯の母親1,000人、父親800人を対象に、「家庭学習についての調査」を実施した。同調査は、近年共働き世帯が増加するなか、子どもの生活・家庭学習の状況や、保護者の意識・行動について、実態の把握を目的に、2015年から継続して行っている。
子どもの家庭での過ごし時間の変化
テレビやゲームをする時間に大きな変化はみられない
「子どもの家での過ごし方」を聞いたところ、「1時間以上テレビを見る」は51.9%。昨年度の調査結果(51.3%)から微増ながらも、ほとんど変化はなかった。また、「1時間以上ゲームする」は25.7%となり、昨年度の調査結果(26.1%)から微減。こちらもほとんど変化は見られなかった。
「外(公園や広場など)で遊ぶ時間」を聞いたところ、「外でまったく遊ばない」子どもが22.3%に対し、「外で2時間以上遊ぶ」子どもは3.6%だった。
子どもが家で学習するのは、週平均「5.8日」、1日の学習時間は「36.3分」
同調査では、小1~小3の子どもの家庭学習の頻度は、週平均「5.8日」、1日の平均学習時間は「36.3分」という結果に。昨年度の調査結果(週平均「5.9日」、平均学習時間「37.1分」)より減少していた。
子どもについて気にかかっていることは「子どもの学校での様子」と「子どもの友達関係」
同調査でも、子どもについて気にかかっていることをたずねた。「子どもの学校での様子」が35.4%、「子どもの友達関係」は33.8%と、3割以上の保護者が気にかかっていると回答している。
学習指導要領改訂後の認知と評価
68.2%の保護者が新学習指導要領の実施を認知
同調査で、「学校のカリキュラムや指導の内容に明確な変化があった」と回答した保護者は34.1%、「多少の変化があった」と回答した保護者を合わせると、68.2%の保護者が学習指導要領改訂によるカリキュラムや指導内容の変化を認知している。昨年度の調査で、「改訂されることを知っており、改訂の内容も把握している」と回答したのは14%だった。
新学習指導要領の内容のなかで、学校での実施をもっとも認知されていたのが、「外国語教育の教科化(英語教科の実施など):22.5%」。「PCでの文字入力などの習得、プログラミング的思考を育成する教科の実施:18.4%」、「答えがひとつではない課題に、子供たちが向き合い、考え、議論する機会を設ける:13.7%」と続いた。
新学習指導要領の内容は学び方を評価
新学習指導要領の内容のなかで、もっとも評価が高かったのは、「答えがひとつではない課題に、子どもたちが向き合い、考え、議論する機会を設ける:49.4%」「国語能力の育成の強化:47.8%」、「学びを人生や社会に生かす『生きる力』の習得:47.7%」と続いた。
新学習指導要領の評価について、32.8%の保護者が「どちらとも言えない」と回答
学習指導要領改訂以降の学校のカリキュラムや指導の評価についてもっとも多かった回答は、「どちらともいえない:32.8%」でした。「全体として非常に好ましい、まあ好ましい」の回答が37.2%、「全体として好ましくない、あまり好ましくない」の回答が5%となった。
オンライン学習の実態
2020年2月以降にオンライン学習を実施した家庭は35.3%
同調査で、「2020年2月末以降、オンライン学習を実施した」と回答した家庭は35.3%。オンライン学習を実施したと回答した家庭のうち、その約半数(51.4%)が、2020年11月時点でも、オンライン学習を継続していることがわかった。
学校主導で実施されたオンライン学習の内容としては、算数が53.2%、国語が51.7%。次いで、理科、英語、社会が20%前後となっている。
オンライン学習の課題は「子どもの集中力」や「子どものモチベーション」
今回の調査で、「オンライン学習において問題になった点」を聞いたところ、「子どもの集中力」と回答した保護者は28.6%、「子どものモチベーション」は26.2%という結果に。
オンライン学習拡大の評価
オンライン学習への評価は、「全体としてどちらとも言えない」という回答がもっとも多く、4割を超えた。「非常に好ましい」、「まあ好ましい」と回答した保護者が約4割の39.2%だった。
調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:小1~小3の子がいる世帯の母親1,000人、父親800人
- 調査期間:2020年11月27日~12月3日