マンガコンテンツ事業を手がけるコミックスマートは、アニメ制作部門を分社化し、今回新たにデジタルアニメスタジオとしてQzil.la(クジラ)を設立した。
アニメ制作市場規模は拡大を続け、アニメ需要と作品に求められるクオリティは年々高まっている。それにともないアニメ業界においては、制作スタジオやクリエイターなどのリソースの不足によって、制作期間が長期化し、納品まで数年待ちというケースが生じたり、ハイクオリティな作品の制作体制の構築が困難になっていたりという課題があった。
こうした課題に対し、新会社では、アナログな部分が残る制作体制の生産性をテクノロジーの力で高めてアニメ業界におけるDXを推進し、アニメーターの労働環境の改善を図りながら、ハイクオリティな作品をスピーディーに提供することを目指すという。
アニメ制作における生産性の向上を図るための取り組みのひとつとして、アカツキとアニメ制作工程管理におけるDX化研究開発を推進。その第1弾として、現在、制作管理工数削減を目的とした制作管理効率化ツールの開発を行っている。また、ラディウス・ファイブの技術を活用したキャラクターデザインの生成など、AI技術の活用による業務の効率化と表現の可能性の拡大を図っていく。
同社では、制作効率化により短納期で制作できる特徴を活かし、通常のアニメ作品に加え、広告ソリューションとしてのアニメ作品の制作や展開も行っていく考え。
広告案件においては、セプテーニグループにおいてマーケティングの知見や広告運用経験のある担当者がフロントに立ち、広告主とコミュニケーションを図りながら提案していく。
また、これまで満仲勧氏や浅野直之氏をはじめとした有名クリエイターが参画しながら、アニメやスポーツブランド・モバイルゲームのプロモーションムービーの制作などを手掛けてきたことから、今後も有名クリエイターとタッグを組みながらハイクオリティな作品を生み出していくことを目指す。
コミックスマートでは、新会社との連携を通じて、コンテンツプラットフォーマーとして自社IPの複数メディア展開を推進し、IPの価値向上を目指すとともに、両社においてさまざまなテクノロジーを活用したDX推進を図り、マンガ・アニメ業界の発展に貢献していくとのこと。