視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタルは、消費者の広告や情報に対する信頼度調査「ニールセン 広告信頼度調査2021(Nielsen Trust in Advertising Study 2021)」の結果をもとに、アジア太平洋地域(以下、APAC)のZ世代の広告に対する意識と、彼らと有効なコミュニケーションを取るうえでの知見を発表した。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
インフルエンサーやSNSからの情報がAPACのZ世代の行動を起こすきっかけに
各市場おいてデジタルメディアの普及し始めた時期は異なるが、Z世代の多くにとっては、生まれたときにはスマートフォンや、SNSサービスをはじめとしたデジタルメディアが流行り始めていた。そのためZ世代は、ミレニアル世代よりもSNSに長い時間を費やし積極的に発信しているため、こうしたアーンドメディアからの影響を受けやすいと考えられる。
実際、このようなZ世代共通の特徴と広告や情報に対する意識は、APACのZ世代でも見られた。同調査によると、行動を起こすきっかけとして、APACのZ世代では、「友だちや家族からのすすめ」に次いで、「インフルエンサーマーケティング」が2位にランクインし、「口コミ」や「ソーシャルネットワーク」もTop5にランクインしていた。この世代が周りの経験、口コミを参考にして、さらにインフルエンサーの影響を受けて行動に移している様子が見受けられる。
共感されやすい広告メッセージはAPAC各市場によって異なる
ブランド担当者がターゲットとコミュニケーションをとるにあたり、消費者にとって共感できるコンテンツを活用することが重要となる。ただし、消費者の意識は生活している地域によってさまざまな影響を受けているため、共感できる広告メッセージも、同じZ世代であっても市場によって特徴が異なる場合があるという。
同調査によると、APACのZ世代全体では、「実生活の場面に基づくもの」がもっとも共感される広告メッセージとなっていたが、市場ごとに見ると異なる結果となった。オーストラリアのZ世代では「ユーモラスなもの」、「実生活の場面に基づくもの」が共感できる広告メッセージとして上位に。一方、韓国と台湾のZ世代は「価値を重視したもの」をもっとも共感できると回答した。さらに、最近のNetflix上のヒット作「イカゲーム」の舞台になった国、韓国では、「競争優位性を表す」広告メッセージも共感されるものとして上位に上がっていた。