サイバーエージェントは、アバターコミュニティアプリ「ピグパーティ」において、誘い出しの被害リスクが高いユーザーをAIで発見、啓発するシステムの試験運用を開始する。
「ピグパーティ」は仮想空間で自分好みのピグ(アバター)を「きせかえ」たり、お部屋の「もようがえ」ができるほか、友だちとライブでコミュニケーションをとることができるアバターSNSアプリで、2015年よりサービスを提供している。
警察庁が発表した2021年の犯罪情勢まとめ(暫定値)によると、デジタル空間における誘い出しなどの未成年者被害はここ数年で増加している。一般的に、プラットフォーム上での誘い出し行動は規約違反として対策されている一方、違反にまでは至らずともリスクの高い行動は多く存在している。
このような背景のもと「ピグパーティ」では、見知らぬ相手からの誘い出しによる被害の未然防止を図るため、当社メディア事業における研究開発組織である「Data Tech Lab」と東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫教授(計算社会科学)との共同研究成果をもとに、新たなシステムを開発、試験運用を開始した。
本システムは「ピグパーティ」ユーザーの行動ログをAIで分析し、誘い出しなどの被害リスクに繋がる「危なっかしい行動」を特定。ユーザーに対し「あなたの遊び方はトラブルに巻き込まれる可能性がある」というメッセージを送るといった啓発を行うことで、被害の未然防止を図るというもの。
2016年より、「Data Tech Studio」と東京大学大学院工学系研究科 鳥海不二夫教授は、インターネットに関する社会的課題を目的にさまざまなテーマで共同研究を進めてきた。今回試験運用を開始する本システムについても、今後、社会的にメタバースが大きく発展していくと考えられる中、2009年からサービスを展開してきた「ピグサービス」におけるユーザー行動ログを活用することで、安心・安全なメタバース市場の発展に向けた研究開発の一環として開発した。
「ピグパーティ」では今後も、ユーザーが安全に楽しめる健全な環境づくりを推進していく。