電通と共同で運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」を運営するテレシーは、デジタルインファクトと共同で、第2回運用型テレビCM市場調査を実施した。
運用型テレビCMとは、データ分析や発注においてオンラインダッシュボードを活用し、広告主やその委託を受けた広告会社が、製品・サービスの直接的な販売促進や顧客獲得などを主たる目的に、一定のKPIを参考とし、短期的に広告クリエイティブや出稿先の変更、調整を繰り返して、広告効果の最適化を図るテレビCMの出稿方法のこと。
社会的なデジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展や、運用型デジタル広告取引の普及を背景に、広告主によるデータを活用した効率的かつ、可視化されたテレビCMの運用管理に対する需要が高まりつつある。これにより、2020年以降から大手広告会社やIT企業による新規参入が進み、国内運用型テレビCM市場は本格的な市場形成が始まった。
運用型テレビCMは当初、モバイルアプリやSaaS型サービスを提供するITベンチャー企業など、従来はデジタル広告を中心にマーケティングを行ってきた広告主による需要が中心だったが、2021年は、運用型テレビCMの提供事業者による、テレビCMやタクシー広告などを活用した積極的なマーケティング活動により、幅広い業種の広告主への認知が進み、大手広告主による出稿もみられるように。また、潤沢なマーケティング予算を抱えるBtoB向けにSaaS事業を行うIT企業による出稿が大きく増加した。これにより、2021年の運用型テレビCM市場は前回調査での90億円との予測を上回る、115億円規模と推測される。
従来のテレビCMの出稿は、担当者による長年の経験や勘に依存する余地が大きく、またその広告効果については明確な可視化がなされないまま、次の投資判断がされているという状況も見受けられた。
今後はデータを活用したテレビCMのプランニング、出稿、効果計測までを一元的に管理・分析することで、「テレビCMを運用する」という考え方がますます普及・定着し、運用型テレビCMに対する需要が高まることが予想される。
これらを背景に、運用型テレビCM市場は2025年には1,300億円規模に拡大すると予測するとのこと。
調査概要
- 調査時期:2022年1月~2022年3月
- 調査方法:広告業界関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
- 調査対象:運用型テレビCM市場
- 調査機関:デジタルインファクト
- 調査主体:テレシー