電通社内組織「BXクリエーティブ・センター」が「電通グルー・スプリント for CVC」の提供を開始

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2022/06/01 09:30

 電通において企業の継続的な事業成長をクリエイティブの力で支援する社内組織「BXクリエーティブ・センター」は、「電通グルー・スプリント for CVC」の提供を開始した。

 「電通グルー・スプリント for CVC」は、事業会社の変革を目指すコーポレートベンチャリング(事業会社が、投資先スタートアップ企業をパートナーとして支援したり、協業で事業変革を目指したりすること)部門や、コーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)が抱える協業に潜む課題を、本質的な価値を見極め、心を動かすクリエイティブの力で解決するコンサルティング・サービス。事業部と投資先スタートアップ企業の協業を支援するステークホルダー間でのアライアンス・ビジョン(協業の目的/方針)づくりと、そのプロトタイピングを、多様なクリエイティブ・スペシャリストが一気通貫で提供し、戦略的リターンへとつなげる。

 現在、数多くの事業会社では、投資による財務的リターンや戦略的リターンを目的に、コーポレートベンチャリング部門担当者や、自社の関連組織として設立した投資専門部門のCVC担当者が、新規事業に取り組むスタートアップ企業への投資・協業などを行っている。投資元である事業会社がオープンイノベーションで規模の拡大を狙うスタートアップ企業と協業し、新たな価値を創出するビジネスが生まれている。

 この投資の流れを円滑にするには、アライアンス・ビジョンを言語化することで、ステークホルダー間の認識を共通化し、協業の目的に沿ったプロダクトやサービスの開発を進める必要がある。特に投資後は、成長機会をモニタリングしながら「プロダクト・アライアンス・フィット(投資先スタートアップ企業のプロダクトやサービスを事業部と協業できるように適応させること)」の精度を向上させるために、立場の多様さ、モチベーションの方向性の違い、協業イメージの不明確さなどの課題を解決するクリエイティブ力を活かした協業が必要となる。しかし、実際にはこれらの動きが実現できていない企業が多く、協業を進めるうえで課題となっていた。

 「電通グルー・スプリント for CVC」は、協業プロセスに潜む課題の解決策として、ふたつのクリエイティブ・スキルを提供する。

 ひとつ目は、アライアンス・ビジョンづくりにおける同社のクリエイティブ・スペシャリストがもつ、物事を言語化・可視化するスキル。本質を整理し、期待値の高まるビジョンをつくり、すべてのステークホルダーを結束に導くことで協業を加速させる。

 ふたつ目は、プロダクトやサービスなどへのビジョンの実装に生かす、心を動かす表現スキル(UI/UXなどをデザインするスキル)。掲げたビジョンの実現のために、ユーザーの利用シーンを想定し、プロダクトやサービスが適切に機能しているか、心が動くかなど、あらゆる角度から検証し歪みを解消することで、プロダクト・アライアンス・フィットの精度を高める。

 同社は同サービスの提供により、事業部と投資先スタートアップ企業とを接着するアライアンス・ビジョンづくりとそのプロトタイピングを一気通貫で行い、協業の精度や効果を高めることで、企業の事業変革や継続的な事業成長の実現に貢献するとともに、今後は事業共創や投資スキームなどの手法も交えながら、支援領域を拡張していくことで新産業の創造に貢献していく考え。