イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を行うセルシスは、ヨーロッパ4ヵ国のクリエイターを対象に、グラフィックコンテンツの創作活動に関する調査を実施した。調査はオンラインアンケート形式で行い、各国で10代~40代各500人の計2,000人より回答を得た。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
デジタル制作がコロナ禍以降も定着
「デジタル機材を利用して描いている」という回答は、2020年の67.3%からはほぼ横ばいの結果に。2020年はコロナの影響により前年より13ポイント増とデジタル化が一気に進んだが、その後もデジタル制作が定着し継続的に利用されている状況が、この結果から読み取れる。年代別では10代クリエイターの70.5%がデジタルを活用しているが、もっとも少ない40代でも65.0%と5ポイントの差となっており、世代による差はあまり無い結果となっている。
男女別では、男性は76.1%がデジタルを活用し、女性より15ポイント以上デジタル活用が進んでいる。また、国による差も大きく、もっともデジタル化の進んでいるドイツとフランスの差は20.8ポイント開いていることがわかった。
パソコンの所有率は70%超
クリエイターの機材保有状況についても調査を行ったところ、70%以上のクリエイターが自由に使えるパソコンを保有していると回答し、何も機材を所有していないという回答は3.1%にとどまった。
スマートフォンでのドローイング
デジタルペイントはドローイングの専用機材であるペンタブレットのほか、近年ではタブレット端末やスマートフォンでも行われている。スマートフォンでどのような制作を行っているかを調査したところ、SNS投稿用画像の加工がもっとも多く、メモ、スケッチ、写真に描き足し、動画・アニメ制作などが続く。完成までイラストをスマートフォンで描くという回答も16.7%あった。
デジタルへの挑戦意欲も高い結果に
また、まだデジタル化していないクリエイターには、デジタル化していない理由と、今後のデジタルへの挑戦の意向を質問。理由としては半数以上で機材が無い、やり方がわからない、お金がかかるといった項目があげられ、機材を所持しているだけでは超えられない心理面での障壁があることがうかがえる一方で、約70%がデジタルに挑戦してみたいと回答している。すでにデジタルを導入しているクリエイターと合わせると、90%を超えるクリエイターがデジタル制作を志向している。今後ますますデジタルでの創作活動が身近なものとなり、さらにクリエイターに浸透していくと予想される。
調査概要
- 調査期間:2021年11月5日~12月23日
- 調査会社:MADE IN SURVEYS社
- 調査方法:オンライン調査
- 調査対象:イギリス、フランス、ドイツ、スペインの4ヵ国
- 調査人数:計8,353名