BGM自動作曲サービス「bgmnow」が正式版提供開始、動画認識AIで動画に適したオリジナル楽曲生成

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2022/07/14 06:00

 bgmnowは、映像クリエイター向けBGM自動作曲サービス「bgmnow(ビー・ジー・エム・ナウ)」の正式版サービスの提供を開始した。

 「2021年 日本の広告費」によると、インターネット広告費(2兆7,052億円)がマスコミ4媒体広告費(2兆4,538億円)を初めて上回る状況となっている。なかでも、YouTubeなどの動画プラットフォームを活用したUGC(User Generated Contents)市場の拡大を受けて、映像系を中心とした動画広告需要の高まりが顕著になってきている。

 消費者の購買意欲や動画の視聴意欲を高める演出方法として映像を引き立てる楽曲に対する需要も高まっており、2026年までに全世界でのBGM市場は2,000億円まで拡大すると予想されているという。

 それに対し、現在映像クリエイター向けの主要音楽ストックサービスには132万曲以上の楽曲が提供されているが、次の4つの課題を抱えている。

  • 既存の音楽ストックサービスで楽曲を選定する時間の肥大化(数時間から半日)
  • 曲の長さや盛り上がる部分のカスタマイズが出来ないことに起因する工数の増加
  • 既存の音楽ストックサービスの楽曲検索機能に起因した同一曲の利用(「曲かぶり」問題)
  • 映像制作案件の費用のうち、楽曲に割ける予算が少ないこと

 これらの課題によって、映像では競合他社との違いや特徴の演出ができているものの、楽曲の選定において他社との差別化が図れていないことで「消費者や視聴者に印象を残せない動画クリエイティブになってしまった」というケースが多発。その結果、動画広告で効果が出せず、広告主、映像クリエイター双方にとって不幸な結果になる問題に発展しているという。

 同社は映像の持つ情報量に着目し、動画認識AIを使用した独自の楽曲生成・提案するアルゴリズムを開発。クリエイターが制作した映像を独自のAIが解析したうえで、映像にマッチしたBGMを5分で生成するサービスを提供することにより、映像クリエイターの負担軽減をサポートする。

「bgmnow」利用方法

 映像クリエイターは「bgmnow」に動画をアップロードし、動画の仕上げたい方向性や盛り上げたい箇所を設定するだけで、自動生成されたオリジナルの5曲をダウンロードすることが可能。映像クリエイターは、提案された5パターンをそのままクライアントに提供するだけで、バリエーションに富んだ提案ができる。

「bgmnow」での楽曲生成方法

STEP1. 制作した動画を「bgmnow」にアップロード

STEP2. 映像の盛り上がる箇所を設定(曲のサビ部分を設定)

STEP3. Usage(利用シーン)とMood(雰囲気)を設定

楽曲5曲を自動生成

「bgmnow」のクオリティコントロール

 同社では高品質かつオリジナリティある楽曲を提供するため、音楽制作に精通した制作体制と専門のクオリティコントロールチームによる審査を行ったうえで「bgmnow」に楽曲が登録される仕組みをとっている。また、クオリティ審査を通過し「bgmnow」に登録された楽曲は、独自のアルゴリズムにより楽曲を最小単位に分解したあとに組み合わせを行うことで楽曲を生成する。

 専門のチームによる「人力」を介した品質コントロールと独自のアルゴリズムを融合することで、多種多様な用途が想定されるBGM利用に対応し、短時間でオリジナリティ溢れる楽曲提供を実現。今後もこの体制を維持し、利用ユーザーのデータを蓄積・活用していくことで映像クリエイターの負担軽減とエンドユーザーの“琴線”に触れるBGMの提供を行っていくとのこと。