インボイス制度を理解している個人事業主は約14% 取引先と協議が進むと課税事業者に転換傾向/freee調査

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2022/10/22 10:00

 freeeは個人事業主・法人経理担当者それぞれを対象としたインボイス制度に関するアンケート調査を実施した。同調査結果の詳細は、次のとおり。

個人事業主

インボイス制度を理解している個人事業主は14%程度

 個人事業主を対象とした「インボイス制度を知っているか」という問いに対して「名前は知っているが制度内容はなんとなくしか知らない」は32.6%、「聞いたことすらない」は26.7%、「名前を聞いたことがある程度で制度内容は全く知らない」は26.3%、「制度内容を知っていて理解している」は14.4%だった。

 インボイス制度の内容を知っていると回答した個人事業主にインボイス制度への意見について問うと、「反対」が47.1%「どちらともいえない」が39.1%、「そもそもよくわからない」が9.4%、「賛成」がもっとも少ない4.4%という結果となった。

 「インボイス制度について取引先と協議したことがあるか」の問いに対しては、「協議をしたことがある」は5.1%、「協議をしたことはないが今後行う予定」は7.6%となり、依然として協議について議論が進んでいないことがうかがえる。

 「取引先とのインボイス制度について協議したことがある」「協議をしたことはないが、今後行う予定」と回答した人の業種は「卸売業」「サービス業(デザイン)」「サービス業(コンサルティング)」「ソフトウェア・情報サービス業」「建設業」が上位を占め、BtoB(企業間取引)ビジネスを行う人に多いことがわかった。

 個人事業主で免税事業者に該当する人の今後のアクションとして「インボイス制度が導入された際に考えられる選択肢」について問うと、「課税事業者として活動する」と回答したのは「取引先と協議進展中」の場合は41.5%、「取引先と協議予定なし」の場合は17.2%となり、取引先と協議が進むと課税事業者に転換するという傾向が見られた。

経過措置の認知度は24%程度 いまだ認知度は低い

 法人経理担当者を対象に行った「免税事業者との取引はあるか」の問いに対しては「はい」が43.4%、「いいえ」が27.6%、「わからない」が29%。

 免税事業者との取引があると回答した法人経理担当者に対して「免税事業者の取引先に対して課税事業者への変更を依頼したことがあるか」と問うと、「すでに行った」が22.7%、「まだ行っていないが、今後行う予定」が34.7%となり、約58%が免税事業者から課税事業者への変更を求めようとしていることが判明した。

 課税事業者への変更依頼を行う法人の業種は、「製造業」が21.6%、「商社」が15.8%、ITが12.2%、建設業が7.2%と下請会社との取引が多い業種が上位を占めることがわかった。

 インボイス制度の各対応項目の認知度についての問いに対しては、買手側の対応となる項目の認知度が全体的に低く、「免税事業者や消費者など適格請求書発行事業者以外でも仕入税額の一部を控除可能となる経過措置が設けられている」という項目の認知は24.2%となり、経過措置に関する認知が広がっていないことがわかった。

個人事業主を対象とした調査概要
  • 実施期間:2022年9月26日〜9月27日
  • 調査方法:インターネットを使用したアンケート調査
  • 対象:20~50代の個人事業主(自営業・自由業・フリーランス)926名 ※会社員を除く
法人経理担当者を対象とした調査概要
  • 実施期間:2022年9月12日〜9月16日
  • 調査方法:インターネットを使用したアンケート調査
  • 対象:法人に勤めている経理部門の責任者および担当者558名 ※個人事業主を除く