GMOインターネットグループのGMOアドパートナーズの連結会社で、アドテクノロジー事業、アプリマーケティング事業などを展開するGMOアドマーケティングは、インターネット広告事業において「ChatGPT」を活用し、デジタル広告のクリエイティブ作成時間を従来の3分の1以下に削減した。
これまで人間が担っていた、広告の事前リサーチ、アイデア出し、実際の画像や動画の作成作業などにChatGPTを活用することで、クリエイターなどが、削減した時間で、広告効果やマーケティング施策の改善にこれまで以上に注力できるようになった。これにより、顧客に迅速かつよりよい広告出稿の提案ができるようになるなどの効果が生まれている。
GMOアドマーケティングは、今後もAI技術を用いてインターネット広告におけるオペレーション改善および品質・広告効果改善の実現に尽力していく。
ChatGPT活用の背景と作業効率化の事例
GMOアドマーケティングでは、広告オペレーションの効率化を目指し、RPAやBPO、AIを活用する仕組みや組織づくりに注力してきた。しかし、マーケティングおよび広告効果の最大化を実現するためには、「広告クリエイティブの作成・開発」という専門スキルや実務経験を保有している高度なクリエイターによる業務が中核となっており、属人化が切り離せない組織運営となっていた。
こうした課題を、新たなテクノロジーで解決すべく、2022年11月からアプリマーケティング事業「Good!Apps byGMO」において、対象となる商材の3C・4P分析、マーケティングリサーチ、広告キャッチコピーや構成案のアイディア出し、実際の広告の画像・動画の作成などにChatGPTの活用を開始。その結果、広告クリエイティブの作成・開発業務にかかる全体の時間を、これまで平均して約130時間/月かかっていたところ、約35時間/月、従来の3分の1以下に削減することが可能になった。
一方で、パフォーマンスはこれまでと同等、もしくはそれ以上を実現している。最終的な広告の質を担保するために、校閲の段階において、ファクトチェックや整合性の確認は人間が行っている。加えて、たとえばクリエイティブの作成スピードが上がったことで、さまざまなパターンのクリエイティブ作成を短期間でできるようになった。これにより、顧客の広告出稿の効果改善や、訴求別検証がこれまでより素早く行えるようになり、顧客のマーケティング全体のさらなる改善に注力することができている。
こうした取り組みをChatGPTならびにAI活用による広告作成の先進事例として活用しながら、広告主ならびにパートナー企業の業務効率化の支援も行っていく。
独自システムによる効率化と情報管理の対策
GMOアドパートナーズでは、広告クリエイティブの作成業務全てをAIにより自動化するのではなく、AIを活用したアウトプットを人の判断により、選定およびブラッシュアップをすることで、作成時間の短縮と質の担保を可能とする独自システムを構築している。
また、ChatGPTを開発したOpenAIの規約上、モデルの学習には用いられないと明記されているAPI連携のみを利用し、ユーザーの情報などを含まない状態で運用し、情報管理を徹底。今後も、継続的に規約変更やアップデート情報といった最新の動向とリスク対応策を踏まえた上で、取り組みを設計していく。