エビリーは、2023年上半期に開設されたYouTubeチャンネルと、2023年上半期に視聴回数を伸ばした動画について調査した。なお、同調査には、YouTubeデータ分析ツール「kamui tracker(カムイトラッカー)」を活用している。
学習目的の需要が増加、ノンバーバルコンテンツは継続的な人気
上半期は教育系のYouTubeチャンネルが多くの登録者数を獲得している傾向があった。このことから、従来から需要の大きい娯楽目的だけでなく、学習目的でYouTubeを利用する人がより一層増えていると推察される。
そして、ショート動画の視聴回数が伸び続けており、なかでも「ノンバーバル」のエンタメコンテンツが2022年末の調査時から引き続き人気に。このようなチャンネルは、視聴回数だけでなく登録者数も多く獲得している傾向があり「定期的にその人の動画を見たい」とチャンネル登録をする、熱心なファンがついていることがうかがえる。
逆に「ビューティー」カテゴリや「ハウツー」カテゴリの「お役立ちコンテンツ」には、その動画自体に注目が集まり、とくに視聴回数が伸びていた。動画を楽しんで視聴するだけでなく、あとから保存したコンテンツを見返して実際に役立てたり、コンテンツのシェアをする視聴者層が一定数いると視聴回数が伸びる傾向にある。
続いて、kamui trackerで独自に集計したデータを用い、YouTube上で急上昇したキーワードの出現回数や特定のキーワードに関連する動画数について、2022年下半期からの上昇率を測定した。
これらの結果から総合的に判断し、トレンドキーワード5つを決定した。
アニメとYouTubeは相性が良く、今回トレンド入りしたTVアニメ「【推しの子】」は、イラストやダンス、コスプレなどさまざまな内容のコンテンツで取り上げられた。
YouTuber・HIKAKINが立ち上げたブランド商品のインスタントラーメン「みそきん」は、5月に販売されると有名人や人気YouTuberがレビュー動画を出し、話題に。
音楽カテゴリでは、ダンス&ボーカルユニットの「新しい学校のリーダーズ」が話題となった。TikTokのフォロワー数は640万人、YouTubeチャンネルの登録者数は120万人を超え、海外からの人気もある。TikTokで先行して人気が出始め、そこからYouTubeに流入する流れは今後もあると考えられる。
また、今年からマスクを外す機会が増え、より肌の質感にこだわる人が増えたことから「ツヤ肌」や「水光肌」のワードがYouTube上で多く見られたと推測できる。
ショート動画では「ノンバーバル」×「コメディ系」が人気
ショート動画では、圧倒的に「ノンバーバル」×「コメディ系」の組み合わせの動画が人気で、特に「spider-maaaaaaan/スパイダーメーン」は2022年末の調査時から引き続き視聴回数を獲得している。
テキストマイニングを見ても、海外を意識した英語表記のタイトルが目立ち、「Sagawa/さがわ」「ISSEI/いっせい」「Junya.じゅんや」のようなエンタメ・コメディ系YouTuberの名前やノンバーバルで楽しめる動画のタイトルにつくことの多い「funny video」が入っていた。
また、前回のショート動画の調査に引き続き、グルメ系のショート動画も人気に。短時間で人々の食欲に訴えかける印象的な動画がとくに人気を集めている。「タイパ」(タイムパフォーマンスの略)が求められる世の中の流れに合わせて、各SNSでグルメ系投稿のショート動画が急増し、短時間でレシピを学んでいる人も増え、グルメ系のコンテンツはショート動画との相性が良いと考えられる。
2023年のショート動画市場も、引き続きグルメ系とコメディ系のコンテンツが台頭すると予想される。
調査期間
- トレンドキーワード調査:2022年7月1日〜2022年12月31日/2023年1月1日〜2023年6月20日
- ショート動画調査:2023年1月1日〜2023年6月20日に投稿された動画
- 登録者数・視聴回数調査:2023年1月1日〜2023年6月20日に開設されたチャンネルor同期間に投稿された動画