プラグは、同社が提供するパッケージデザインを評価するサービス「パッケージデザインAI」が、王子ネピアの「ネピアプレミアムソフトティシュ」をはじめとするネピア4ブランド(ネピネピ、激吸収、アネモネHG)38商品のデザインリニューアルに活用されたことを発表した。
ロングセラーブランドのデザイン開発では、消費者の持つブランドイメージを維持しながら新たなメッセージを伝えるため、丁寧かつ慎重にデザインの変更を行う必要がある。また、今回は多くの商品をリニューアルするため効率的に行うことが求められた。各ブランドで同AIが4回活用され、「デザインの改良→評価→改良方向の決定」というプロセスを繰り返し、デザイン開発を実施。従来よりも評価の回数を増やしながらも、半分の期間(従来は4ヵ月→今回は2ヵ月)でのデザイン開発を実現した。
今回のデザイン開発では同AIを4回活用。1回目で旧デザインの課題抽出を行い、2回目で新デザイン6案を2案に絞り込み、3・4回目で新デザインが旧デザインより評価が高くなっているかどうかを確認した。ブランドごとに「上質さ」「品質の高さ」を伝えること、ネピアのロゴ・商品名・品質コピーの視認性を高めることをデザイン開発の目標に設定。デザイン改良をするたびに、AI評価で確認し、改良方向を明確にすることで、開発期間の短縮化を実現した。
パッケージデザインAI 導入の背景
王子ネピアではデザインのリニューアルに際しては消費者調査の実施をしている。今回は対象商品が4ブランド38商品と多く、全てを調査することは費用的にも時間的にも難しく、効率化できる手段を模索する中で、本AIが導入された。
導入によるメリット
本AIを活用することで、デザイン案ができたらすぐに評価でき改良の方向性も探ることができる点、デザイン選定までの時間が短縮できたことが評価されている。デザイン選定の期間は従来4ヵ月かかっていたところ半分の2ヵ月になった。また、小売店へのバイヤーへの商談の際、デザインの選定理由を数値で説明できるようになったことも評価されている。
王子ネピア株式会社 営業統括本部 マーケティング本部 商品企画部 グループマネージャー 中島 久遠氏のコメント
今回のデザインリニューアルでは、その対象となる商品数が多く、消費者調査を実施する従来の流れでは時間的・予算的に厳しく、グループメンバーの業務負荷にも懸念があり、効率的な手段を模索していました。パッケージデザインAIは、イメージや好意度などリアルタイムで評価可能で、デザインの判断基準を作ることができます。また期間中は何度でも評価することができるので、費用対効果も向上しますし、デザインの修正・方向性の確定も容易になることがメリットです。消費者調査だと、対象者の負荷や予算の関係で、デザイン案をある程度絞って実施しますが、AIだと全てのデザイン案を迅速に評価できます。