サイバーエージェントは、インターネット広告事業の「サイバーエージェント次世代生活研究所」において、「2023年Z世代SNS利用率調査」を実施し、Z世代が利用しているSNSおよび各世代のSNS利用率、認知率を発表。また、Z世代とその上の世代の間に存在するジェネレーションギャップを明らかにするとともに、Z世代のほかの各世代別、性別、居住地域などによる違いも明らかにした。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
世代別SNS利用率
Z世代(15-25歳)のSNS利用率1位は、「Instagram(Z世代75.6%・26歳以上51.3%)」、2位は「X(旧Twitter/Z世代71.7%・26歳以上52.3%)」だった。2022年(調査期間:2022年9月29日~10月1日)に同社が実施した調査では、Z世代のSNS利用率 1位は「Twitter(現X・66.0%)」、2位が「Instagram(64.7%)」であり、この1年間でZ世代の間でもっとも使われるSNSが「X(旧Twitter)」を抜き、「Instagram」になったことが明らかとなった。
3位は「TikTok(Z世代51.9%・26歳以上20.4%)」に。2022年の調査では、Z世代の利用率は29.2%だったため、この1年で「TikTok」ユーザーが大幅に増えたことがわかる。
また、Z世代のSNS利用率上位2位の「Instagram」「X」は、その上の世代においても認知率は9割を超えているものの、実際の利用者は約半数で、Z世代と利用率に大きく差があることがうかがえる。
今回の調査項目の中で唯一、上の世代の利用率がZ世代を上回ったSNSは「Facebook(Z世代8.9%・26歳以上22.8%)」のみだった。
世代別SNS認知率(Z世代・その上の世代)
SNSの認知率について、Z世代の利用率上位3つの「Instagram(Z世代96.8%・26歳以上94.3%)」、「X(Z世代96.3%・26歳以上94.5%)」、「TikTok(Z世代95.1%・26歳以上92.3%)」は世代を問わず、9割以上が認知している。
「Facebook(Z世代88.5%・26歳以上92.2%)」は今回の調査項目の中で唯一、その上の世代の認知率がZ世代を上回った。
「Facebook」以外のSNSはすべてZ世代がその上の世代よりも認知率が高く、特に今年Z世代の間で大きな話題となったリアルな日常を投稿するSNS「BeReal(Z世代57.1%・26歳以上11.8%)」においては、Z世代とその上の世代との認知率の差が45.3ポイントとなり、もっとも大きかった。
「BeReal」に次いで認知率の差が大きいのは、今年2023年7月6日にMeta社がサービスを開始したテキスト型SNS「Threads(Z世代66.3%・26歳以上32.7%・差33.6ポイント)」、ボイス・ビデオ・テキストコミュニケーションアプリ「Discord(Z世代56.6%・26歳以上24.1%・差32.5ポイント)」、位置情報共有アプリ「whoo(Z世代39.7%・26歳以上9.4%・差30.3ポイント)」、画像・動画投稿アプリ「SnapChat(Z世代56.6%・26歳以上30.2%・差26.4ポイント)」と続き、この4つのSNSのZ世代の認知率はすべて5割を超えていた。
主要SNSの年代別利用率
Z世代(15-25歳)の利用率TOP3のSNSは、「Instagram」「X」「TikTok」だが、これらすべてのSNSは年齢が上がれば上がるほど、年代別の利用率が低いことがうかがえる。
とくに「Instagram」は年代が上がるごとに約10ポイントずつ利用率が下がっており、その傾向が顕著にうかがえる。また、「TikTok」は、Z世代の利用率が51.9%に対し、26-29歳が29.4%と近い世代でも利用率の差が大きくみられ、特に「TikTok」においては、よりZ世代中心のSNSであることが判明した。
「X」は、26-29歳においては利用率が71.6%であり、Z世代(71.7%)とほぼ同等の数値に。一方、その上の30-39歳になると利用率は54.1%と大幅に低くなっていることから、Z世代から20代を中心としたSNSといえる。
主要SNSの性年代別利用率
主要SNSの利用率を性年代別で見ると、ほぼすべての年代において男性よりも女性の利用率が高く、女性を中心にSNSが利用されていることがわかる。例外は「X」の50代(男性42.2%・女性30.1%)、TikTokの40代(男性19.9%・女性13.1%)、50代(男性16.0%・女性12.1%)のみだった。
とくに「Instagram」はほかのSNSに比べて男女差が大きく、Z世代ではどの属性でも女性が20ポイント以上男性を上回る(高校生:男性66.0%・女性88.8%、大学生:男性64.6%・女性90.8%、25歳以下社会人:男性57.8%・女性85.9%)。
また、Z世代より上の26-29歳、30-39歳においては、女性が30ポイント以上も男性を上回っている(26-29歳:男性48.5%・女性85.4%、30-39歳:男性39.8%・女性72.3%)。「Instagram」は30代までの女性が7割以上利用しており、とくに男女差の大きい「女性中心のSNS」となっている。
また、「X」は大学生以上の男性がもっとも利用しているSNSであることがわかった。男子高校生の利用率は「Instagram」が「X」をやや上回って(「Instagram」66.0%・「X」62.6%)いるが、「X」の利用率は男子大学生(71.4%)、25歳以下社会人男性(64.6%)、26-29歳男性(65.5%)において他主要SNSより高く、6割を超えている。そして、30-39歳(男性55.3%・女性52.9%)、40-49歳(男性47.6%・女性47.1%)、50-59歳(男性42.2%・女性30.1%)においては、ほかのSNSより男性の利用率が高いうえ、同年代の女性の利用率を上回っている。
「TikTok」は女子高校生にもっとも多く利用されている(69.9%)。また、それぞれの利用率は、高校生(男子51.5%・女子69.9%)、大学生(男子41.7%・女子53.9%)、25歳以下社会人(男性34.5%・女性59.7%)となっており、若ければ若いほど利用率が高く、高校生・大学生・25歳以下社会人の女性がメインの利用層だと言える。
主要SNSの世代・居住地別SNS利用率
Z世代の主要SNSを居住地別(1都3県:東京・埼玉・神奈川・千葉 / 2府2県:大阪・京都・兵庫・奈良/その他都道府県)で比較した。
Z世代においては、「Instagram」はどの居住地域でも大きな差が出ず、全域において75%以上利用されていた(1都3県75.2%・2府2県77.5%・その他75.3%)。「X」は、その他都道府県の利用者がやや少ない傾向(1都3県74.9%・2府2県73.0%・その他69.4%)。一方「TikTok」は1都3県がほかに比べ利用率が低い(1都3県46.4%・2府2県55.4%・その他53.9%)ことから、地方部型のSNSと言えるかもしれない。
さらに、上の世代においては、「Instagram」はやや1都3県が低い結果(1都3県48.8%・2府2県55.1%・その他51.7%)となりやや地方型、「X」は2府2県がやや少ない傾向(2都3県54.5%・2府2県49.1%・その他51.9%)、「TikTok」は大きな地域差が出なかった(1都3県20.6%・2府2県18.4%・その他21.0%)。
同じ居住地のZ世代とその上の世代を比較すると、2府2県とその他都道府県の「TikTok」利用率に30ポイント以上の差が出ており、Z世代はその上の世代よりも地方部において「TikTok」利用率が高いことがわかる。
世帯年収別SNS利用率
Z世代の主要SNS「Instagram」「X」「TikTok」の利用率を世帯年収別に比較すると、「Instagram」「X」において大きな差は見られない一方で、「TikTok(400万円未満33.8%・400~600万円未満25.5%・600万円以上28.5%)」においては、同調査内でもっとも世帯年収が低い区分である「400万円未満」の利用率が、400万円以上に対して高いことがわかる。これは「TikTok」がほかのSNSに比べ、より若いユーザーに利用されていることが原因と予想される。
調査概要
- 調査期間:2023年11月13日(月)~11月14日(火)
- 回答者:全国男女15歳~59歳 2,884サンプル(年代・学年・性別毎に均等割付)/Z世代(16~25歳)の高校生・大学生・社会人 1,256サンプル/26~59歳 1,648サンプル
- 調査手法:インターネットリサーチ