サイバーエージェントの極予測TD、各業種に特化した効果的な広告訴求を考慮したテキスト自動生成機能実装

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2024/05/28 12:00

 サイバーエージェントは、AIで効果の出せる広告テキストを予測・自動生成する「極予測TD(キワミヨソクティーディー)」において、各業種に特化した効果的な広告訴求を考慮したテキスト自動生成機能を実装した。先行テストでは、既存手法と比較して広告の多様性が228%増加するなど、自動生成の性能が向上した。

 なお、同技術は、自然言語処理分野のトップカンファレンス「NAACL-HLT 2022」で採択された論文「Aspect-based Analysis of Advertising Appeals for Search Engine Advertising」内で分析した、同社の人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」と東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の奥村学教授らとの共同研究成果の一部が活用されている。

背景

 検索連動型広告をはじめとする運用型広告では、広告効果最大化を目的とした継続的な運用が重要とされている。同社ではこれまで、AIを活用し広告テキストの自動生成および効果の事前予測を行う「極予測TD」を2020年5月より提供しているほか、同社が開発する独自の日本語LLMである「CyberAgentLM」およびGPT-4を活用した「繰り返し試行生成機能」の開発や、「CyberAgentLMバージョン2」の実装など、自社開発LLM技術を活用することで自動生成手法のアップデートを行い、広告効果の向上を実現してきた。

 検索連動型広告の効果を高める上で重要なことのひとつに、検索キーワードごとに最適なクリエイティブを配信することが挙げられる。Googleのレスポンシブ検索広告(RSA)においては、2022年6月から多様な広告見出しと説明文のもっとも効果的な組み合わせがユーザーに配信される仕様に変更されていたが、検索キーワードごとに多様なパターンを用意することは実際には難しいという課題がある。

概要

 このような背景のもと、各業種で効果の高い広告訴求を考慮したテキストの自動生成機能を開発しました。これにより広告表現における多様性の大幅な増加を実現している。なお、本技術においても「CyberAgentLM」を活用している。

 また先行テストの結果では広告の多様性が228%増加したクライアント実績が出るなど、広告効果への大きな貢献が期待できる。

今後

 同社は今後も高い技術力をいかし、広告クリエイティブ・テキストにおける表現の多様性や予測精度の更なる向上を図る研究開発を進め、新しい広告クリエイティブの価値提供を目指すとともに、広告主企業の広告効果最大化に尽力していく。