GMOインターネットグループは、独自LLMでパートナー(従業員)の意思決定を加速する新プロジェクト「GMO Brain AI プロジェクト」第1弾となる社内向け独自AIツールの提供を開始した。
本ツールは、熊谷正寿の思考やフィロソフィーとGMOインターネットグループのカルチャーが集約・言語化された「GMOイズム」を学習した“バーチャル知的ナビゲーター”。パートナーはいつでも必要なときにチャットボットを通じて対話を行うことで、事業における意志決定のさらなる高速化が可能となる。
同ツールは、グループ代表・熊谷正寿氏の経営哲学とグループのカルチャーが集約・言語化された「GMOイズム」を学習した“バーチャル知的ナビゲーター”で、チャットボット形式で対話をおこなう仕組みを採用しており、事業における意志決定のさらなる高速化を実現する。
「GMO Brain AIプロジェクト」の背景
AIを活用し削減した100万時間で新たな価値創造を実現
GMOインターネットグループは「AIで未来を創るNo.1企業グループへ」を掲げ、生成AIをはじめとするAI技術の活用を進めている。その結果、2024年9月にはグループ全体での2024年における合計業務削減時間が推定100万時間を突破した。
この削減時間を活用し、新たな価値創造を実現することを目指し、社内ナレッジを最大限に活用できる本ツールを独自開発した。
本ツールでは、2種類のバージョンを提供する。ひとつめは、大規模言語モデルを活用して社内データを広い視点で分析する「安定動作版」。ふたつめは、最新のAPIを使用し、より正確で詳細な情報を提供する「β版」です。このふたつを併用することで、パートナーの教育や業務の効率化を促進し、仕事の質を向上させる。
必要なときにいつでもアクセス可能な「GMOイズム」の指南役
本ツールは、グループ代表の熊谷のノウハウや経営哲学とGMOインターネットグループのカルチャーをまとめた「GMOイズム」を熟知する“バーチャル知的ナビゲーター”。
パートナーは、チャットボットとの対話を通じて、GMOインターネットグループが培ってきた理念・哲学・ナレッジを活用可能。仕事上の悩みはもちろん、策定した事業プラン、そしてプロモーションプランなどに対して、いつでも「GMOイズム」にもとづいた適切なフィードバックやアドバイス、評価を受けることができる。
本ツールを組織横断的かつリアルタイムに活用することによって、迅速な意思決定と組織全体の知的生産性向上につなげ、「AIで未来を創るNo.1企業グループへ」の実現を加速させていく。
開発とアウトプット精度について
社内AI推進チームが開発を主導し「GMOイズム」を大規模言語モデルへ最適化
GMOインターネットグループが長年培ってきた社内哲学・経営ノウハウを集約した「GMOイズム」において、AI利活用を推進する専門チーム「AIしあおうぜ!」主導により、手作業でのデータクリーニング(AIの学習に必要な情報の抽出・整理・正規化)を実施し新時代のサポートツールの完成を実現した。
若手人工知能専門家も開発に参加
本ツールの開発にあたり、2022年度人工知能学会研究会優秀賞に採択されたパートナー、ならびに東京大学大学院で人工知能を専門に研究を行っていたデータサイエンティストとして活躍するパートナーなど、人工知能を専門とする若手エンジニアもアドバイザーとしてプロジェクトに参加。GMOインターネットグループ全体を横断した取り組みで誕生した。
“フィロソフィー推進チーム”による精度評価
本ツールの精度評価および監査は、GMOインターネットグループの企業理念「スピリットベンチャー宣言」を推進し、シナジー促進と効率的な業務運営を目指すいわばフィロソフィーの推進部署である「グループSV・シナジー推進室」が担当した。「GMOイズム」に精通した講師が行う社内研修に匹敵する精度の高さを確認している。
技術的ポイント
「GMOイズム」を大規模言語モデルへ最適化
本ツールの開発にあたり、GMOインターネットグループが長年培ってきた社内哲学・経営ノウハウを集約した「GMOイズム」に対し、AI利活用推進チームメンバーによる、手作業でのデータ拡張・整備による高質のデータ作成、プロンプト調整を行い、高いアウトプット精度を実現した。
「In-Context Learning」を採用し、高精度なアウトプットを実現
「In-Context Learning(インコンテキストラーニング 以下ICL)」では、与えられた入力のコンテキストにもとづいて入力されたタスクを理解し、柔軟かつ高精度なアウトプットを可能とする。
本ツールの開発では、この「ICL」を採用し、約7万6000トークンにおよぶ最適化された専用データを作成した。検索拡張生成(RAG)で作られた同様の用途の社内ナレッジツールに比べ、より深く、多面的な分析を実現している。また、モデルの切り替えが容易で、Claudeだけではなく、最新版のChatGPTやGemini等への対応も可能なのが「ICL」利点のひとつ。
さらに本ツールの開発で得られた「ICL」でのデータ整備の知見は、GMOインターネットグループ内のAI特化の独自SNS「GMO Genius」で共有され、グループ全体の新サービス提供、既存サービスの質向上に繋がる、大きな力となる。