エンタメアプリDL数、前年同月比28%増 課金は1月と比較し15%増/App Annie Japan

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2020/05/07 06:00

 App Annie Japanは、アプリ市場データプラットフォーム「App Annie Intelligence」のデータから、世界全体や日本の動画ストリーミング市場における最新動向をまとめ、発表した。

 2020年1月〜4月の日本におけるアプリ全体のダウンロード数の推移を見ると、1月から2月はほぼ横ばいなのに対し、2月から3月は約20%増加。4月は、4月19日までの集計データではあるが増加傾向にあるため、3月のダウンロード数を上回ることが予測される。

 また、エンターテイメントアプリのダウンロード数は、アプリ全体のダウンロード数と比例して増加しており、昨年の同時期と比較すると約28%増加の5,640万ダウンロードを記録(2019年3月対比)するなど、巣ごもり需要により動画ストリーミング市場が盛り上がっていることが見受けられる。

 エンターテイメントアプリの平均課金額は、2020年1月平均と3月平均の比較で世界全体において2%増加、日本においては15%の増加を記録。ロックダウンが実施された米国においては10%、日本と同じように緊急事態宣言の出ているシンガポールにおいても10%増加している。

 エンターテイメントアプリは、ダウンロード数を伸ばしているだけではなく、ユーザーが実際に利用する時間も増加傾向に。2020年1月平均から15%増加し、約2,600万時間にも及ぶ。在宅時間が増え、モバイルへの全体的な接触時間が増えるなか、エンターテイメントアプリがそのシェアの一部を獲得していると考えられる。

 前年の同時期と比較してダウンロード数が急上昇した動画ストリーミングアプリのランキングをみると、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅時間が増えるなか、無料コンテンツを開放したアプリのランクインが目立つ。

 ブレイクランキングで1位となった「Paravi」は、無観客試合での実施となったプロ野球の公式戦を無料配信したことや、ドラマや映画などのコンテンツを楽しむユーザーが増加したことが考えられる。また、3位にランクインした「NHKプラス」は新型コロナウイルス関連のニュースや情報を集める際に使用するユーザーが増えたことが要因となっている可能性がうかがえる。

 日本における、2020年の動画ストリーミング市場は、下半期に日本上陸予定の「Disney+」によってさらに競争が激化すると注目を集めている。「Disney+」は、2019年11月から米国、カナダ、オランダなどでサービスを開始し、2020年3月に欧州7ヶ国(ドイツ、英国、スペイン、イタリア、オーストリア、スイス、アイルランド)にてリリースされ、リリースからわずか半年で、すでに各国で賑わいを見せている。

 欧州7ヶ国では、2020年3月24日からサービス提供を開始。提供初日の1日のダウンロード数が500万ダウンロードを記録した。サービス開始直後から順調な成長を見せた要因としては、新型コロナウイルス感染拡大防止により、欧州各地域でのロックダウンが施行され、自宅で過ごす子供が増え、動画ストリーミングの需要が急増したことにあると言える。

 サービス提供社のDisneyも社会情勢を考慮し、「Disney+」内の人気コンテンツ『アナと雪の女王2』のサービス提供を、当初のスケジュールよりも3ヶ月早めて提供を開始した。

 また「Disney+」は、米国を中心とする5市場のみでのサービス開始から4ヶ月で、2020年1月からの世界全体の消費支出ランキングTOP10アプリの7位にランクイン。サービス開始初期の段階から順調にユーザーに受け入れられている様子がうかがえる。欧州でのサービス開始によりランキングの順位は今後さらに上昇することが推測できる。

 2019年の米国における動画ストリーミングサービス「Netflix」のアプリ重複利用率のデータを見ると、「Disney+」のユーザーは平均で月に3時間10分をこのアプリに使っている。これはNetflix(月に4時間20分)やHulu(月に3時間20分)のような、すでに地位を確立しているプレイヤーに匹敵する。日本でも、5Gの商用化や巣ごもり需要も追い風となり、動画ストリーミング市場は競争が激化することが予測され、2020年注目の市場となると調査元では考えている。