デザイナーとは、すべての人の中心にいて、あらゆる課題設定から課題解決までを担える人だと私は考えている。それを理解している会社にとって、すでにデザイナーはなくてはならない存在になっているのではないだろうか。
今回は、そういった会社やデザイナーが増えることを目的に、数回に分けてデザイナーの評価や組織づくり、採用など、自身の経験をもとに書いていきたいと思う。
デザイナーとして会社で働いていると、こんな違和感を持つ方もいるのではないだろうか。
- 「なにか違うような気がするけれど作りかたってこれでいいの?」
- 「働きにくいな…。なんでここまで気にしなければいけないんだろう」
- 「なぜ上の人はわかってくれないの?」
- 「そもそもこれって自分の仕事?」
その違和感は、プロダクト、組織、評価など多岐にわたる。私も若かりしとき、そういった疑問を持っていたし、いまでもそういった疑問がないわけではない。ただ、その違和感を変えていくことはできると思うのだ。
よく、デザイナーからこんな相談を受ける。
- 「働く環境が整っていない」
- 「ちゃんと評価をしてもらえていない」
- 「自分のスキルややりたいことを理解してくれない」
- 「将来自分がどうなるべきかわからない」
これらはほんの一部に過ぎず、挙げ始めたらキリがない。ただどの悩みにも共通しているのは、「未来が見えず、今が正しいかわからない」という点だと私は思っている。
ビジョンを描く
現在私は、株式会社キュービックでCDO(デザイン責任者)という立場に就いており、「会社、プロダクトのブランディング」「事業」「組織作り」といったことをメインに取り組んでいる。
そのなかでもいちばん重要だと思っているベースとなる部分は、「未来のビジョンを描くこと」。ブランディング、組織、事業、その全てにおいてビジョンはとても大切であり、このビジョンがないと未来に向けて何がしたいか、どこへ向かうかわからなくなってしまうからだ。そのため、なにに取り組む場合にも、まずはビジョンを描くことから始めている。
もし皆さんの会社で未来のビジョンがなかったら、まずはみんなでビジョンを考えてみるところから始めてみてはどうだろう。
メンバーで集まり、自分たちの会社の未来をテーマに議論をし、その後ふせんにそれぞれが思う3年後未来を書くワークを実施。最後はみんなで票を入、もっとも票が集まったビジョンを採用する。
もちろんデザインマネージャーが在籍する組織ならば、マネージャーがまずは描いてみることをオススメするが、メンバーと議論することは決して無駄にはならない。メンバーにも自分ごと化を促す良い機会になるだろう。