豊富な機能をもつB向け製品だから意識していることとは ブレインパッドのデザインを支える4名が語る

豊富な機能をもつB向け製品だから意識していることとは ブレインパッドのデザインを支える4名が語る
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2020/11/30 08:00

 ビッグデータの活用やデジタルマーケティングに強みをもつブレインパッド。主力製品のひとつでもある自社開発データビジネス・プラットフォーム「Rtoaster(アールトースター)」の特徴ともいえるのが、各企業にパーソナライズするための多彩な機能だろう。データの統合や外部ツールとの連携はもちろん、コンテンツの解析、自動セグメント分析、アプリ接客にいたるまで、30を超える機能を搭載している。マーケティング関連製品というと一見難しそうなイメージを持たれがちだが、さらにこれだけ豊富な機能を有しているRtoasterはどのように開発されているのだろう。今回は、プロダクト開発部長の上川晃二朗さん、デザイナーの佐藤雅史さん、則松幸靖さん、満嶋紗季さんの4名に話を聞いた。

プロダクト開発では「ユーザーの要望をただ受け入れることはしない」

――まずは、皆さんのご経歴から教えていただけますか?

上川 前職は通信系の会社で企画やマーケティングを担当しており、現在はデータビジネス・プラットフォーム「Rtoaster」をはじめとした自社プロダクトを開発する部署の部長と、デザインメンバーのマネージャーを兼務しています。デザインというよりは、企画やUIのレビューなどを行うことが多いですね。

組織構造としては、製品の企画から開発までを担う企画開発部門に、プロダクトマネ―ジャー(以下、PdM)とデザイナー、エンジニアが所属しています。もともと社内にデザイナーがいなかったので、エンジニアがフレームワークをもとにデザインを作ることもありましたが、現在は今回お話しさせていただく3人と、契約社員やパートナーの方でデザインを進めています。

則松 以前はコーダーとして企業に属しいろいろなウェブサイトの実装をしていたのですが、自分でも最初からすべて携わってみたいという思いからフリーランスになりました。そのころからデザインも含めたウェブサイト制作を行うことで、お客さまのビジネスに興味を持つように。そのあとECの運営を行っている会社に転職したのですが、サイト制作や運用、マーケティングまで担当するなかで、マーケティング自体に興味が湧いてきました。

そのなかでもブレインパッドを選んだのは、マーケティングに関するあらゆる面で強みを持っているプロダクト群があるので、いままでの経験を活かすことができるのではないかと思ったからです。現在はウェブサイトのコーディングや自社プロダクトのデザインを担当しています。

佐藤 大学ではデザインと関係のない領域を学んでいましたが、仕事をするなら小さいころから好きだったものづくりに携わりたいと思い、1年間デザインの学校に通ったのち、デザイナーとして入社しました。前々職ではBtoBの金融系ツールやウェブサイトの受託開発を、前職では中小企業向けSaaSプロダクトのUIデザインなどを担っていました。ブレインパッドには、以前働いていた企業の同僚から声をかけてもらい入社し、現在は「Rtoaster insight+(アールトースター インサイト・プラス)」、「Rtoaster reach+(アールトースター リーチ・プラス)」の管理画面デザインなどを担当しています。

満嶋 大学卒業後は、5~6年ほど雑誌やパンフレットといった紙のデザインをしていたのですが、別のスキルも身につけたいと思い、転職先候補の中でいちばん仕事の幅が広いように感じたブレインパッドにジョインしました。

私はUIデザインの経験がなかったため、前職の経験を活かし、まずは営業資料やパンフレット、チラシなどのデザインを行っていました。そのあとは、Rtoasterの管理画面デザインにも携わっています。PdMからもらった機能追加の要望を噛み砕きながらデザインにおこすという経験を少しずつ積んだことで、最近プロダクトにおけるデザインの輪郭が掴めてきたように感じます。

――B向けのプロダクトだからこそ意識していることはありますか?

上川 製品のレビューをするときに気をつけているのは、ユーザーがその機能を理解できるのかという点です。C向けのサービスであれば自身がユーザーになることもできますが、B向けのサービスだとそれは難しいですし、B向けのサービスだと、お客さまの企業内でも部門を横断したメンバーで連携しながら使うことも想定されます。

そういった関わりもふまえると、UIのトーンをすべて合わせようとしがちですが、その機能を使う担当者が異なるのであれば必ずしも揃える必要はありません。そのUIのバランスや、ユーザーがプロダクトを使用する場面を常に想像することを心がけています。

佐藤 私自身はC向けのサービスに関わった経験はないのですが、B向けのサービスは個人とプロダクトを使う間に業務というレイヤーがあるので、その職種を経験していないと想像しづらい部分は多いように感じています。

ただ、私が意識しているのは、お客さまからのすべての要望を短絡的に受け入れることはしない、という点です。なぜそういった意見を持たれたのか、その背景を吟味してから実装するようにしています。

満嶋 C向けのプロダクトと違うのは、ユーザー1人ひとりのリテラシーや会社の体制、レベル感がバラバラであるという点です。だからこそお客さまの意見をどのように吸い上げプロダクトに反映していくかにも、デザイナーとしての経験が必要だと感じます。その判断基準に正しい答えがあるわけではないので、毎回「プロダクトのスタンス」のようなものを考えながらデザインすることを意識しています。

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