こんにちは。Visionalの神志那です。デザインプログラムマネジメント室で、デザイナーを対象とした人財・組織開発に携わり、デザイナーが活躍できる環境づくりを担っています。
連載第3回となる今回は、人財領域のさまざまな取り組みの軸にしている「デザイナーJD(Job Description)」について紹介します。JD(Job Description)とは職務記述書のことであり、おもにその職務における責任や役割・範疇などが記されたものを指します。
デザイナーJDは「Visionalのデザイナーのあるべき姿(=期待役割)」を言語化し、さらに必要なスキルまで落とし込むことで、具体的な共通認識を持てるようにしたものです。
皆さんの職場で、このようなことはありませんか?
- 現場のデザイナーから「キャリアが見えない」という声を聞く
- 組織として、目指すべきデザイナー像が定まっていない
- キャリア開発がマネジメント任せになり属人化している
- 採用要件や配置変更に対して、尺度がバラついており一貫していない
Visionalでも、以前から課題解決・価値創造を大切にする文化は社内で共有できていましたが、それを体現できている状態の定義が曖昧で、各個人が成長していくために必要なスキルも言語化できていませんでした。そのため、キャリアパスの見えづらさがあったり、スキル習得も属人化している状況でした。
これらを可視化し、組織・個人の両面からデザイナーの成長を支援していきたいという想いで、デザイナーJDの作成をスタート。株式会社DONGURI(現:株式会社MIMIGURI)のミナベさんに支援をいただきながら議論を重ね、1年ほど前に策定を完了しました。現在は現場での活用を開始し、キャリア開発などに役立てています。
デザイナーJDの考えかた
ここからは、デザイナーJDの考えかたについてお伝えします。
まず、デザイナーJDの軸とはなにか。私たちはこれを「今まで曖昧であった『期待役割の明文化』と『必要なスキル』を定義すること」としました。
1.職種ごとの期待役割の言語化
- デザイナーの職種を細分化し期待役割を定義
- 期待役割は、影響範囲とかけあわせる形で段階を設定し、詳細に定義
- 細分化した職種を「キャリアラダー」と呼称
「影響範囲」というのは、その役割が影響を与える範囲のことで、範囲が広がっていくほど業務の難易度が高まる設計になっています。Visionalのデザイナーの仕事はデザイナーのみで完結することはなく、エンジニアや企画、マーケティングなどと常に連携しながら進めていきます。
そういった連携範囲やプロジェクト規模自体が大きくなるほど、他職能との合意形成や、周囲を巻き込んで推進していくことが成果を出すためには必要となります。このような背景から、「自身が影響を及ぼす範囲=影響範囲」という考えかたを取り入れるようにしています。
2.必要スキルを定義
- その期待役割を果たすために必要なスキルを具体的に定義
- デザイナーに必要なスキル定義を「コアスキル」と呼称
1.キャリアラダーと2.コアスキルによって、各自が担うべき役割と、身に付けるべきスキルを明確にしています。