Pinterest(ピンタレスト)は、画像をアップロードしたり、好きな画像を収集したりして楽しめるアメリカ生まれのブックマークシェアサービスです。日本での認知度はやや低く、国内ユーザー数は870万人(2020年12月時点)ですが、グローバルユーザー数は4億4,400万人(2021年9月時点)と、かなり多くの人が利用していることがわかります。
しかし、「Pinterest」と検索すると次に出てくるワードが「著作権」や「危険」のため、利用を躊躇している人も多いようです。とくに商用でPinterestを利用したいと考えている人にとって、著作権は注意しなければいけない点です。
そこで今回は、Pinterestが危険と言われている理由や、安全に利用するための方法を紹介します。
「Pinterestは危険」と言われている理由
Pinterestが危険と言われている理由は主に2つあります。
詐欺サイトへの誘導
Pinterestにアップロードされている画像にはURLがついており、タップすると画像の掲載元へアクセスできますが、中には詐欺サイトのURLが貼られている場合もあります。何も知らずに詐欺サイトのURLをクリックすると、ウイルスに感染する可能性があるため、あやしい画像のURLはタップしないようにしましょう。画像をPin(お気に入り登録のような機能)するだけなら問題なく利用できます。
著作権侵害
Pinterestにアップロードされている画像の多くが、拾ってきた画像です。中には画像の一部を切り取ってアップロードしているものもあり、それらをシェア、商用として利用すると知らず知らずのうちに著作権を侵害してしまいます。
トラブルに巻き込まれないためにPinterestの著作権利用規約を理解しよう
危険性が高いと思われているPinterestですが、利用規約を理解しルールを守って利用すれば安全です。
Pinterestの利用規約(執筆時点)をわかりやすくまとめました。
- 13歳未満の使用またはアクセス禁止
- 商用目的の利用はビジネスアカウントを作成し、Pinterest の利用規約(ビジネス向け)に同意する
- Pinterest に投稿したコンテンツの責任や権利はユーザーに帰属する
- トラブルが起こった場合はユーザーが費用を負担する
投稿ユーザーの許可なく画像を使用した場合は訴えられる可能性がありますが、その場合Pinterestは一切責任を負わず、カリフォルニア州の法律に従って自力で裁判をする必要があります。トラブルを起こさないためにも、利用規約をしっかり守ってPinterestを楽しみましょう。
保存するだけならOK
投稿ユーザーの許可なしにSNSやサイトで画像を転載するのは著作権を侵害する可能性がありますが、Pinterest内でPin(保存)するだけなら問題ありません。
Pinterestの画像を安全に利用する方法
ここでは、Pinterestの利用規約を理解したうえで、画像を安全に利用する方法を紹介します。
著作権者に確認を取る
Pinterestで見つけた画像を商用で利用したい場合は、その画像をアップロードしているアカウントに連絡し、許可をもらってから利用するといいでしょう。
ただし、その画像が複製されているものであれば、そもそも著作権者に行き着けない場合も多いです。そのため、投稿元の表示がある画像を探し、転載の許可をとるといいでしょう。投稿元のURLは、下記の画像の赤枠で囲っている部分に表記されます。URLをタップし、著作権についての記載がないか確認し、なければ連絡して聞きましょう。使用許可が下りなかった場合は、商用フリーの画像を探しましょう。
「商用利用可能」と記載してある画像のみを利用する
Pinterestにアップロードされている画像には、「商用利用OK!」と記載されているものもあります。Pinterestの画像を商用で利用したい場合は、商用アカウントを作り、商用利用の許可が明示してある画像を利用するといいでしょう。
ただし、Pinterestの画像は商用利用の許可をとっているものとそうでないものが混在していて、見分けが難しい場合もあります。確実に著作権を侵害せずに画像を利用するなら、その画像が元々どこにアップされていたかを調べ、その画像の著作者が転載の許可を出してるかどうかを調べてから利用するのが安全です。
Pinterestで著作権を侵害した場合
万が一Pinterestで著作権を侵害してしまった場合、実際に訴えられる確率は少ないですが、著作権侵害をしている画像の削除やアカウント削除の対処がなされる可能性はあります。
過去には、写真家のVincent Tylor(ビンセント・タイラー)氏が、自身の写真を無断で使用したボトルウォーター「Hawaiian Springs(ハワイアン・スプリングス)」に対してクレームをつけ、Hawaiian Springs社は該当する写真を削除しました。
ちなみに日本では、Pinterestの著作権侵害に関する裁判事例はまだありません。しかし無用なトラブルを避けるためには、著作権を侵害しないように気をつけてPinterestを利用することが重要です。
Pinterestで自分が著作権の侵害をされた場合は?
もしも自分の画像がPinterestで無断に転載されていた場合は、運営に問い合わせて削除してもらいましょう。手順は下記の通りです。
必要事項では、自分が著作権を持っている画像について詳しく記載する項目やその画像の著作権が自分にあることを証明できるURLを記載する項目があるので、すべて記入し、署名して送信しましょう。
削除依頼が運営に届いてから、早くて24時間以内には画像を削除してくれます。
著作権侵害を予防するのも大切
Pinterestで著作権の侵害を防ぐために、自分のサイトにある画像のファイル名を変更するという手もあります。Pinterestでは自分のボード上に画像をPinで保存できますが、これは画像を保存しているというよりも掲載元のサイトをブックマークしている状態に近いです。
自分の画像をPin留めされないために、サイト内のHTMLのheadセクションに
<meta name="pinterest"content="nopin"/>
を貼り付けると、Pinterestでの著作権侵害を防ぐことができます。
また、画像にウェブサイトのURLやマークを入れる、加工されやすい高解像度・高画質の画像はアップロードしないなどの対策も有効です。とくに画像に直接URLやマークを入れる方法は、パッと見ただけで著作権がわかるためおすすめですよ。
自分の画像が無断転載されていないか心配な場合は、Google画像検索でこまめにパトロールするといいでしょう。Google画像検索の精度はかなり高いため、加工やトリミングがされていても、同一の画像を検出してくれます。
著作権を守って正しくPinterestを活用しよう
Pinterestは、個人で画像をPinして楽しむ分には著作権を侵害したり罰せられたりすることは少ないでしょう。商用で利用する際はビジネスアカウントを作成し、著作権者に許可を取る、「商用利用OK!」と記載してある画像のみを利用するなどして、著作権を侵害しないように注意する必要があります。
もし著作権を侵害してしまった場合、訴えられる可能性は低いですが、該当画像やアカウントを削除される可能性は高いため、利用規約をしっかりと理解しルールに則ってPinterestを活用しましょう。
反対に、自分が著作権を侵害された場合は、運営に問い合わせて該当画像を削除してもらい、今後同じことが起こらないよう予防することも重要です。著作権侵害の予防策としては、サイト内のHTMLを編集、画像にURLを記載、解像度・画質を落としてアップロードするなどです。
Pinterestはたくさんの画像や動画がアップロードされており、正しく活用すれば新しいアイデアが生まれたり、情報収集できたりと大変役立つSNSです。すべてのPinterestユーザーや自分が気持ちよくPinterestを活用できるよう、利用規約と著作権はしっかり守りましょう。