クリエイターが従来のTVタレントに取って代わる時代、ヴィジュアルコンテンツで勝負をすること、またそのために最先端の動画について知り実践することは、あらゆるクリエイターにとって避けては通れません。
そしてあらゆる種類の動画が数多く存在している今、クリエイターにとって重要なのは、視聴者に期待値を与えそれに報いること。そしてそのために、SNSにネイティブなコミュニケーションプロトコルを捉えそれを実践することが、クリエイターがファンコミュニティを獲得する上で最大のカギだと言えるのではないでしょうか。
そんなお話しをした前回でしたが、第3回となる今回は、そのようにして獲得したファンコミュニティを成長させ、そこでさまざまなビジネスを展開する具体的な方法についてお伝えします。クリエイターとして経済的に成功するためには、TikTokのトップスターであるチャーリー・ダミリオさんからYouTubeクリエイターのヒカルさん、またモテクリエイターのゆうこすさんまでが実践している、共通のビジネスモデルを知っておかなければなりません。そしてそのビジネスモデルについて理解することができれば、Web3によってクリエイターが夜明けを迎えるという今回の連載のテーマをも、さらに深く納得していただけると思います。
クリエイターの主な収入源は、もはや再生回数ではない
いきなりですが、YouTuberとして生計を立てていると聞くと、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。おそらくはチャンネル登録者数が数十万人はいて、再生回数100万回を超える動画をコンスタントに公開し、そこから動画広告の表示回数に応じて広告収入を得ていると考える人がほとんどだと思います。
しかしこのような稼ぎかたは最近ではダウントレンドです。再生回数一回あたりの広告収入や、総再生回数が何回あればクリエイターとして食べていけるという考えかたは、特定のプラットフォーム上でコンテンツを発信しそこから得られる利益を分配してもらうといったWeb2.0的な発想なのです。
クリエイターの生計の立てかたとしてこの数年でもっとも勢いがあるのは、企業から依頼を受けて行うタイアップ広告案件。いわゆる“案件”と呼ばれるものです。クリエイターではない視聴者の立場からすると、自分が時間を割いて見ているYouTube広告がクリエイターの収益につながっていることはわかりやすい一方、案件が収入につながっていることはイメージがしにくいかもしれません。実際にTikTokには動画広告のようなマネタイズの手段が存在しないため、そこで何百万人のフォロワーがいることにどういった意味があるのかイメージしづらい人も多いと思います。しかし、彼らの収入の源はまさに案件であり、冒頭で言及したクリエイターたちも案件で稼いでいるのです。