TikTokで大切なのは「共感」と「バズ感」 クリエイターとメディアの未来をNatee・小島さんが語る

TikTokで大切なのは「共感」と「バズ感」 クリエイターとメディアの未来をNatee・小島さんが語る
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2022/06/02 08:00

 2018年の創業以来、SNSのなかでもTikTokに特化したマーケティング事業を展開している株式会社Natee。クリエイターとの共創により価値を生み出すNatee代表取締役の小島領剣さんに、TikTokの変化や新しいメディアの可能性、今後のクリエイターのありかたなどについて話を聞いた。

創業以来3年半TikTok一筋のNatee 創業の裏側にあった確信と思いとは

――まずは小島さんのご経歴と、Nateeを創業された経緯をお聞かせください。

実はNateeは2回めの起業です。1回めは学生起業で教育系キュレーションメディアを運営していたのですが、ニッチもサッチもいかず……。そんなときにビジョナルの南社長にお会いして、「しっかり修行したほうがいいぞ」とおっしゃっていただいたことをきっかけに、ビジョナルで働くことになりました。自分の中にはずっと、世の中は技術革新、テクノロジーが引っ張っていくという考えがあったので、半ば無理をいってエンジニアとして入社させてもらい、求人検索エンジンや採用管理ツールなどの開発に携わりました。

ビジョナルはすごく素敵な会社で、人間関係も良かったですし仕事もおもしろかったのですが、どうしても「自分じゃなくても良いのではないか」という思いが拭えなくて。そういった理由もあり、2年4ヵ月ほどでビジョナルは退職。しばらくぶらぶらしたあと、2018年にNateeを立ち上げました。昔から経営者になりたいと思っていたんです。親も経営者ですし、小学校6年生のときの文集には「年商20億の社長になる」と書いていましたし、それ以外の選択肢がなかったのかもしれません。

――起業する際に、事業のプランはありましたか?

動画×マーケティングの領域に挑戦することは決めていました。立ち上げた当初、縦型・短尺のショートムービーは今ほどメジャーではなかったのですが、スマートフォンの動画でクリエイティブが爆発するのを目にしながら、「この領域はむちゃくちゃおもしろそう」、「絶対に次はこっちだ」という直感があったんです。

僕はずっと「個性と才能が生きる社会をつくる」と言ってきました。ユニークな生きかたをする人が増えたらとてもハッピーだと思っているからです。まさにYouTuberがそうですが、今後はTikTokで活躍する人も同じように活躍していくという確信があったので、TikTokを舞台にクリエイターと一緒にビジネスを行うことを創業のコンセプトにしました。僕は市場が伸びるかどうかだけではなく、メディアや人の心が動くことが好きなんです。大学では社会構造学や文化人類学を勉強していたこともあり、それに近い領域に携わりたいという思いがありましたね。

株式会社Natee 代表取締役 小島領剣さん
株式会社Natee 代表取締役 小島領剣さん

またメディアの歴史を自分なりに整理すると、昔は新聞とラジオしかなかったところにテレビが誕生し、情報量が爆発的に増えた。それが一般の人にも民主化されたものがYouTubeで、さらにもう一段階進んでスマホだけでメディアを行うことができるようになったのがTikTokだととらえています。

創業以来3年半、ずっとTikTokのみを生業としてきたため、クリエイターさんとのリレーションもありますし成功事例もたくさん生まれている。この2点は僕らの強いアセットになっていると思います。

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