[後編]掲出場所に合わせたコミュニケーションを 実例をもとにビジュアルづくりの考えかたを解説

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 本記事では、横浜に本拠地をおくプロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」のチームビジュアル制作をテーマにお届けします。後編は、具体的なビジュアル制作についてです。

 こんにちは。横浜DeNAベイスターズでチームビジュアル制作を担当している飯島征士です。

 前編では、横浜DeNAベイスターズと、2022年シーズンスローガンについての紹介をしましたが、今回は、毎年3月末のプロ野球開幕に向けた、2022年シーズン中に継続して使用するビジュアル(以下、シーズンビジュアル)、2022年開幕シリーズ用ビジュアル(以下、開幕ビジュアル)について紹介します。

すべてに共通するコンセプトは「反撃」 2022年シーズンビジュアル制作の背景

 チームビジュアルを制作する際、多くは外部のパートナー企業さんとタッグを組み進めていきます。前編で紹介した 2022年シーズンスローガンも含め、2022年の開幕へ向けてもパートナー企業さんと制作を進めました。

 シーズンビジュアルは言葉のとおり、シーズンを象徴するビジュアル。「シーズンを通してもっとも長い期間かつ、もっとも多くの場所で露出するものです。まずは制作した3種類のビジュアルを紹介します。

 掲出を予定していた媒体矩形や場所の特性、またそれぞれのビジュアル同士の相関性などを考慮し、大きくは3種類のビジュアルを作成しています。

 すべてのビジュアルに共通するコンセプトは「反撃」。三浦監督が決めた2022年シーズンスローガン「横浜反撃」からこのコンセプトが決まりました。前回お伝えしたとおり、新シーズンへ向けたチームの雰囲気をもっとも端的に表す言葉が「横浜反撃」ですので、この雰囲気をビジュアルで表現していきました。

 背景に敷かれた「青」と「もくもくとしたスモーク」が表しているのは、横浜DeNAベイスターズが打ち上げる「反撃の狼煙」。これは3種類のビジュアルに共通しており、今回のビジュアルを象徴するモチーフとなっています。3月末のプロ野球開幕戦を控えた3月初旬〜中旬にかけて、徐々にこの“反撃の狼煙”が横浜の街中にのぼりだすことで、開幕を迎える雰囲気を醸成。ファンの方々とともに気持ちを盛り上げ、横浜にゆかりのある皆さまへも開幕の訪れを伝えるべく、街中を青く染めていきました。

 ここからは、3つのシーズンビジュアルの詳細について説明していきます。

1.反撃メッセージビジュアル

横浜スタジアム内や球場周辺の商店街、駅など、もっとも多く掲出されるビジュアルで、バリエーションは全部で23種類。

監督・選手の紹介を兼ねているだけでなく、各選手の象徴的なプレイの瞬間を切りとり、今回のコンセプト「反撃」につながる“言葉”も添えられています。コピーは選手の取材記事やインタビューをもとに、コピーライターが1つひとつ丁寧に紡ぎ出し、それを「横浜反撃」のスローガンロゴマークに合わせてデザインしたものです。写真にコピーを添えたことで、ファンの皆さまに、より共感していただけたのではないかと思っています。

2.プレービジュアル ver.1

これらは、1の「反撃メッセージビジュアル」に次いで多く掲出されるビジュアル。バリエーションは全部で12種類です。1と同様に、各選手の象徴的なプレイの瞬間を切りとっていますが、選手の“動き”によって「反撃」を表現している点が大きな違いです。狼煙を表すスモークによって、動きの前後の時間やミステリアスな雰囲気、また選手の身体能力の高さも同時に感じていただきたいとの思いで制作しました。

3.プレービジュアル ver.2

このビジュアルは2のプレービジュアルver1と同様、横浜スタジアム内や駅などに掲出され、バリエーションは全部で4種類。

制作の考えかたも2と同様ですが、縦長矩形の媒体に合わせて制作しています。球場や駅には、その場所の特性上、壁面や柱など極端に縦長なユニークな形状の媒体が複数存在するため、この形状を活かすことを意識しました。

期待感と士気を高める「2022年開幕ビジュアル」

 開幕ビジュアルは、本拠地横浜スタジアムでの開幕シリーズ3連戦に向けて制作するビジュアルで、本記事の前半で紹介した「シーズンビジュアル」と同じタイミングで世の中に露出されます。

 ビジュアルの考えかたも「シーズンビジュアル」と同様ですが、ここには「横浜開幕」のロゴマークと「さあ、反撃の狼煙をあげよう。」のコピーが入ります。ファンの皆さまにとっても特別な、開幕シリーズ前ならではの期待感と、開幕に向けての士気の両方を高めることを強く意識して制作しています。

 静かな闘志をたぎらせた眼差しでカメラを見つめる選手と、周りに立ち込める狼煙。チームとして新しいシーズンと開幕3連戦に立ち向かう闘志を感じていただきたいというのが、制作に込めた思いです。

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