料理人からウェブデザイナーへ 未経験からウェブ業界への転職を叶えるための行動と、大切な考えかた

料理人からウェブデザイナーへ 未経験からウェブ業界への転職を叶えるための行動と、大切な考えかた
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2022/10/17 08:00

 異なる畑からクリエイターとしてウェブ業界への転職を目指す際、大きく立ちはだかるのが「未経験」の壁ではないでしょうか。そんなハードルを乗り越え、料理人からウェブデザイナーへの転身を叶えた増尾朋幸さんに、スキルを身につけた方法や転職活動で大切にしていた考えかた、ウェブ業界で働き始めた今感じていることなどについて伺いました。増尾さんのアクションから、クリエイターとして転職を目指すためのヒントを探ります。

最初にウェブ業界に興味を持った、料理人ならではの理由とは

――まずはご経歴からお聞かせください。

ずっと料理を作ることが好きだったため、調理科のある高校に通いました。その後、さらに専門性を高めるべく、大阪に引っ越し、調理専門学校に入学。フランスとイタリア料理を1年間学び、大阪のフレンチレストランに就職しました。

転職を意識するようになったのは、コロナ禍になってからです。これからのキャリアを考えたときに、料理人だけでは厳しいのではないかと感じたんです。そこからネットで情報収集することが増え、ウェブ業界に興味をもちました。料理人目線だと思うのですが、物理的な原価がほとんどかかっていないように見えたんですよね。料理だと食材などの原価がかかりますが、ウェブにはそれがなく、事業が成立しているのではないかと思いました。

また、なにか新しいことに取り組んでみたいという気持ちもあったのですが、料理人としてイノベーションを生むことは難しいような気がしていました。なにか突出したスキルや、アーティスティックな才能がないと、ゼロからいちをつくりだすことはかなり厳しいなと感じていて……。

そうやって悩んでいた時に、料理とそれ以外の道で自身のスキルを伸ばせば、活躍することができるのではないかという考えにたどり着きました。そこでウェブの業界は再現性が高い点などに魅力を感じたことが、ウェブ業界を目指すようになったきっかけです。

料理人をしながら副業のような形でスタートしようと思い、ネットで調べながらウェブ制作の勉強を始めたのですが、仕事の休憩時間や勤務後に勉強をすることはとても大変でした。まとまった勉強時間も確保できず、進み具合も芳しくなかった。そこで本腰を入れるべく、3年半ほどつとめたレストランを退職。どのようにウェブ制作を学ぶべきかについていろいろ調べた結果、職業訓練校に通うことにしました。

実際に3ヵ月間通ってみると、僕にとっては得しかなかったと感じています。たとえば、すでにウェブ制作のスキルを持っていたり、コードが書ける人が通うと物足りないと思いますが、僕のような初心者でこれからスキルを身につけたいと思う人であれば、技術も知識もしっかり身につきますし、勉強時間も確保することができるのはとてもありがたかったです。

僕が通った職業訓練校では月曜日から金曜日、朝9時半から16時ごろまでカリキュラムが組まれており、PhotoshopやIllustrator、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどウェブ制作に必要なスキルを3ヵ月で学びました。まったくサイトを制作したことがなかった僕も少しずつスキルを身につけていくことができたため、成長を感じながら学ぶことができたと思います。5月に卒業したあとは転職活動を開始。3ヵ月ほどで内定をいただきました。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。