[新連載]イラストレーターとユニットを結成したデザイナーが見つけた、3つの夢中スイッチ

[新連載]イラストレーターとユニットを結成したデザイナーが見つけた、3つの夢中スイッチ
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 イラスト、デザイン、コンサルティングの3つを柱として活動するユニット「rala design」。代表兼デザイナーをつとめる青木孝親さんが、長年イラストレーターとともに二人三脚でプロダクトづくりをしていくなかで見えた、イラストとの付き合いかた、イラストの楽しさなどについてお伝えします。

イラストレーターとひとつの部屋で仕事をしたら、3つの夢中スイッチを見つけることができました。

 このコラムは、デザイナーとイラストレーターのふたりが、一緒にセルフプロダクションを生業にして人生のひとときを歩むお話です。

選んだのは「美大在学中に同級生とユニットを結成し起業する」という働きかた

 総務省の「経済センサス」(令和元年)によると、デザイン業に従事している人は民営の事業所で働く従業者全体の0.07 %ほどだそうです。つまり、10,000人のうちデザイン業の人は約7人ということですね。そして、その0.07 %の中にも、大手の広告代理店でデザイナーとして働く人、小規模な制作会社に所属している人、フリーランスのデザイナーとして働く人など、クリエイターの働きかたは多種多様です。

 私はこれらの中でも、さらにマイナーな「美大の在学中に同級生とユニットを結成し起業する」という選択をしました。もともと経営学部を卒業して一度社会人となり、美大に入り直してデザインを学んだ経歴のため、ビジネスとデザインをミックスした視点を持っていることが強みだと思っています。

 美大のデザイン科で出会った同級生はというと、デザインを勉強しながらもイラストに魅力を感じて絵筆をとったり、参考になる資料集めをしていました。そんなふたりが意気投合し、ユニット「rala design」を結成。デザインを媒介としてビジネスとイラストを統合した活動を、美大在学中に始めました。4年生になっても就職活動はせず、このまま活動を続けていこうとふたりで腹をくくり、卒業後は文字どおりゼロからの出発です。

 結果として、rala designの活動はゆうに10年を超えて続くことになるのですが、その間のほとんどが「自分で自分の仕事をつくる」ことに没頭した日々でした。己のこと、互いのことを観察して掘り下げていき、その中から次の仕事を生み出すヒントを探す毎日。なにしろふたりしかいないですし、持っているスキルも限られていますから。使えるものは何でも使っていかないと報酬をもらうことはできないと思い、「自分は何ができる?」「相手は何が得意?」なんてことを四六時中考えていました。

 今回のコラムでは、「ゼロから自分の仕事を生み出す」という経験の道すがらに「これは何か役に立ちそうだ」と拾った小石たちを、読者の皆さんと眺めてみたいと思います。その中でも、とりわけイラストレーターやイラストレーションという言葉を話題の中心にしていくつもりです。

 私は友人から「デザイナーとイラストレーターの二人三脚で、どうやってひとつのプロダクトを作りあげているの?」とよく質問されました。このコラムではそのあたりのエッセンスとともに、協働の楽しさや障壁となること、異業種にも活かせそうな“気づき”などを交えながら読みものとしてまとめていきます。統計が示すように、星くずの中のたったひとつの事例ですが、そのニッチ中のニッチから他業種にも通ずる課題解決の視点を共有したいと思います。コーヒーやお酒を飲むようなリラックスタイムに、このコラムを楽しんでいただけたら幸いです。

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