総フォロワー400万超えのANAが解説 実際の投稿から考える“身近”に感じてもらうためのSNS活用とは

総フォロワー400万超えのANAが解説 実際の投稿から考える“身近”に感じてもらうためのSNS活用とは
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2023/04/19 08:00

 Instagramのフォロワーは68.9万人、Facebookは183万人、Twitterは121万人、TikTokも41万人と、SNSでも着実かつ多くのファンを獲得している全日本空輸(以下、ANA)が、2023年3月にCraetorZine編集部が開催したイベント「Creators MIX 2023」に登壇。さまざまなプラットフォームをフルに活用するANAは、どのような考えのもとSNS運用に取り組んできたのか、その知見をもとに企業やブランドを身近に感じてもらうためのSNS活用について語った。

創立70周年を迎えたANAの新経営ビジョン

 今回登壇したのは、フライトに従事しながらSNSの運用担当もつとめる竹内麗さん。客室乗務員として、機内の最高責任者やファーストクラス責任者を経験したのち、2020年より広報・コーポレートブランド推進部に配属。2021年からはANAグループ全SNSの管理運営を担当し、ANA公式TikTok開設にも携わった人物だ。

 竹内さんは冒頭、ANAが2機のヘリコプターから始まったベンチャー企業であったことに触れ、ANAグループの紹介からセッションをスタートした。日本ヘリコプター輸送(通称日ペリ)として始まったANAが、2022年12月に創立70周年を迎えたこと、航空運送のほかにも物流、総合商社(全日空商事)、フライトケータリング、マイル関連事業など、国内外の航空ネットワークと顧客基盤を活かした幅広い事業を展開していることを紹介。

 さらに、ANAグループが2023年2月に新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を掲げたことに触れ、「私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます」と述べた。そして、経営ビジョンにある「ワクワク」を発信していくためのひとつの手段としてSNS活用が重要だと語り、セッションの本題へと入っていった。

ANAホールディングス株式会社 広報部 SNS・メディアプランニングチーム 竹内麗さん
ANAホールディングス株式会社 広報部 SNS・メディアプランニングチーム 竹内麗さん

4つのプラットフォームを使い分けるANA

 ANAグループが運営しているSNSはInstagram(68万フォロワー)、TikTok(40万フォロワー)、Twitter(121万フォロワー)、Facebook(183万フォロワー)の4つ。InstagramとTikTokでは、後述するような動画をメインに投稿している。TwitterとFacebookは写真と文章が中心で、セールやキャンペーン、採用情報などを発信。チャネルの特性によっても使い分けている。

「Twitterは短文で引き付けるような写真を中心に投稿し、タイムリーさも大切にしています。Facebookでは長文でしっかり読んでいただけるよう内容を多く配信。またANAグループは支店がたくさんあるので、地元のスタッフが地域の紹介を行うこともあります」

 4つのアカウント運営は、企画からコンテンツ制作、投稿まで、広報部内の10名ほどのチームで行い、週1回の会議で運営方針を決定。実際に竹内さんも撮影や編集作業を行ったり、ときには演者として投稿に登場することもあるという。そんななか、運用でもっとも意識しているのは、「お客さまにANAグループを身近に感じてもらう」ことだと竹内さんは語る。

「社員の顔が見える投稿を心がけています。コロナ禍でなかなかお客さまと接点を持てなくなっていた時期も3年ほどありましたので、日常の中にANAグループがいることを、SNSを通じて感じてもらえたらという思いがありました」

 またSNSを通じて、「将来的にユーザーになってもらう若者にANAグループを認知してもらう」ことも重視しており、そのためにも動画の活用に力を入れているという。

「実際に投稿の反応を見ながら、テキストや静止画以上にメッセージが伝わりやすく、人の心を動かす力があるのが動画ではないかと感じるようになりました。そこで2021年ごろから、動画を積極的に活用するようにしています」

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。