「じゃがりこ」とSUZURIのパッケージデザインコンテストが好調 背景から見えたクリエイターコラボのヒント

「じゃがりこ」とSUZURIのパッケージデザインコンテストが好調 背景から見えたクリエイターコラボのヒント
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2023/10/12 08:00

 2023年8月から9月にかけて、GMOペパボが展開するオリジナルグッズ作成・販売サービスのSUZURI byGMOペパボ(以下、SUZURI)とカルビーの「じゃがりこ」がコラボし、パッケージデザインを募集するコンテストが行われた。本コンテストは、SUZURIのもつ画像合成技術を活用して作品を募集し、上位3作品のデザインは、2024年夏ごろより全国での期間限定発売を予定していることもあり、SUZURIのコンテストとしてもこれまでにない盛りあがりを見せていたという。今回は、カルビーで「じゃがりこ」のマーケティングを担当する永吉さんと、GMOペパボのSUZURI事業部長である杉山さんにインタビューを実施。同施策が実施された背景をはじめ、クリエイターとブランドの共創について話を聞いた。

今までとは異なるコラボの形を 過去の施策で感じたクリエイターのパワー

――まず、今回のコンテストを実施することになった背景からお聞かせください。

永吉(カルビー) もともとじゃがりこには、2021年まで会員制コミュニティーサイト「あつまれ!とびだせ!じゃがり校」があり、商品の企画やプロモーションをはじめ、お客さまと一緒に企画を行ってきました。じゃがり校の閉校以降は、SNSなどを通じてお客さまとコミュニケーションをしていくようになったのですが、商品を考えるだけでなく、じゃがりこの顔でもあるパッケージもお客さまと考えていけたらおもしろいのではないかという思いがあったんです。

昨年から「LINEスタンプ」などで有名なクリエイターさんとコラボレーションして商品パッケージを作るなどの取り組みを通して、クリエイターの皆さんが非常に前向きに取り組んでくださったり、発売したときにお客さまから「クリエイターの○○さんを採用してくれてありがとう」と熱い声が寄せられたりするのが、私たちもとても嬉しかった。一方、世の中には多くの素晴らしいクリエイティブがあふれているのに、まだまだ日の目を見ないものがたくさんあるとも感じていました。そこでとてもたくさんの数が店頭に並ぶじゃがりこを活用して、ご自身のクリエイティビティを発揮してもらえたらと考えました。

カルビー株式会社 マーケティング本部 スナック3部 じゃがりこチーム 永吉真衣さん
カルビー株式会社 マーケティング本部 スナック3部 じゃがりこチーム 永吉真衣さん

今回のパッケージコンテスト開催について、昨年の夏ごろから企画の構想自体は練り始めていましたが、「じゃがりこドリーム」というコンテスト名にふさわしく、クリエイターさんの支援までしっかり行える企画にしたいと思っていました。受賞したあとにクリエイターさんに活躍してもらうための方法を考えたすえに、ご縁もあってSUZURIさんに辿り着きました。

杉山(ペパボ) 実はSUZURIとしても「活躍しているクリエイターさんがもっといろいろな経験を積める場にしていきたい」と思っていたところでした。弊社に具体的なお話をいただいたのは、今年の3月ごろ。カルビーさんからのお話を聞き、前のめりで「ぜひやらせてください」とお返事しました。

――施策はどのように進められたのですか?

永吉(カルビー) もともとは発案者と私の2名で担当していましたが、発案者が産休に入ったため現在は私がメインとなり業務を行っています。ブランドとしての意思決定が必要なときには、チームでディスカッションをしたりしていました。じゃがりことしては、商品パッケージとしてのレギュレーションをクリエイターさんにどうやって守っていただくのかを考えながら、SUZURIさんと仕様を決めていきました。

杉山(ペパボ) 企画の骨子はすでにカルビーさんが固めていたため、我々はそれをSUZURIでどのように実現するのかを練っていきました。

GMOペパボ株式会社 SUZURI事業部 部長 杉山 寛さん
GMOペパボ株式会社 SUZURI事業部 部長 杉山 寛さん

具体的にはクリエイターさんが作った画像をじゃがりこのパッケージとして合成するためのページや仕組み、コンテストのLP制作などを担当しています。またクリエイターさんの参加の障壁を下げるために、わかりやすい動線やテンプレートづくりを意識。どこの領域をデザインすれば良いのかがひと目でわかるなるようなLPやサイト設計を心掛けました。

SUZURI側の稼働は、私のほかに、ディレクターが2名、デザイナーが3名、エンジニアが1名の計7人です。