「じゃがりこ」とSUZURIのパッケージデザインコンテストが好調 背景から見えたクリエイターコラボのヒント

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2023/10/12 08:00

開始日に300件以上の応募 自由さと守るべきラインのバランスを模索

――コンテストの準備で苦労したこと、こだわった点はありますか?

永吉(カルビー) カルビーとしては、「『じゃがりこ サラダ』であることを伝えるパッケージにするためのレギュレーション決め」が大変だった部分でもあり、こだわったポイントでもあります。なるべくクリエイターさんの色を出して自由にデザインしてもらいながら、「じゃがりこ」を人にあげる行為、通称「あげりこ」をしたくなるような、じゃがりこらしさのあるパッケージにしていきたかったからです。テーマを実現できる自由さは保ちつつ、ブランドとして守るべきところは守る。そのバランスにはとても気を配りました。

出典:プレスリリース
出典:プレスリリース

過去にキャラクターとコラボをしたデザインを制作した際、パッケージデザインを通常のものから少し調整したパターンもいくつか作っていたため、レギュレーションの策定にはこれを活用しました。それをもとに背景の色を少し変えてみたり、ロゴのサイズを調整してみたりしながらたくさんのパターンを作成。それを実際に棚に並べながら、ブランドチームのメンバーが中心となり、じゃがりことして守るべきラインを探っていきました。

杉山(ペパボ) 我々としては、クリエイターさんの参加のハードルを下げるような仕様づくりが難しかったですね。過去に実施したコンテストでは「自由すぎると何を作って良いか逆にわからない」などの声が寄せられたこともあったため、今回はLPの中で創作のイメージが湧くようSUZURIの公式キャラクター「スリスリ君」を使った具体例を配置するなど、工夫を凝らしています。

――応募開始後の反響はいかがでしょうか。

永吉(カルビー) 8月22日の募集開始日で300件以上、9月上旬では1,500件ほどと、非常に多くの皆さんに参加いただいています。SNSでも実際に試している様子が投稿されていたり、多くの方に楽しんでいただけているのではないかと感じています。

杉山(ペパボ) SUZURIで過去に行ってきたコンテストと比較しても、初速はとても好調です。また開始直後に応募された作品のなかには、数分で完成するクオリティではないものもたくさんあった。プレスリリースを出してから応募開始までに2週間ほどあったこと、ちょうど夏休みに重なったことなどもあり、事前にデザインを制作し、応募開始まで待ち構えていらっしゃった方もいたかと思うととても嬉しいです。

今回のような、SUZURIで取り扱っているTシャツなどではなく、他社ブランド独自の商材を用いたデザインコンテスト開催は、我々にとっても初めての挑戦でした。今回のように、自身がデザインしたパッケージが店頭に並ぶというゴールがあるという点も、クリエイターさんに支持いただけた一因ではないかと感じています。

永吉(カルビー) 私たちとしても一般の方からゼロベースでデザインを募集する形式は今回が初めてでした。応募作品を眺めていると、しっかり「じゃがりこ」の背景や歴史なども調べたうえでデザインをされている方も多い印象です。

杉山(ペパボ) 応募フォームにあるフリーのテキスト入力欄にもぎっしりとコメントしている方も多く、皆さんの熱量が伝わってきましたね。