「じゃがりこ」とSUZURIのパッケージデザインコンテストが好調 背景から見えたクリエイターコラボのヒント

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2023/10/12 08:00

ポイントは「クリエイターの個性に柔軟に向き合えるか」

――今回のようなブランドとクリエイターとのコラボレーションで、両者がそれぞれ意識すべきことはありますか?

杉山(ペパボ) やはりクリエイターさんの創作意欲を掻き立てる企画になっているかどうかがもっとも大切ではないかと感じています。今回、「このコンテストを機にさらに創作意欲が湧いてきて、別のものまで作ってしまいました」という声を見かけたりしましたが、そのモチベーションはクリエイターさんの今後のステップアップにもつながっていくはず。またそういったクリエイターさんの熱量は、ブランドさんにも還元していくものではないでしょうか。

永吉(カルビー) 私たちも当初はクリエイターさんの世界観や表現したいことを「じゃがりこ」上で表現していただこうと考えていました。ただ、SUZURIさん制作のLPなどを見たときに、「じゃがりこ」に寄りすぎるのではなく、SUZURIさんのブランドも尊重しつつ、「じゃがりこ」がそこにいることで、よりおもしろくなったりかわいくなったりすれば良いと考えるようになっていきました。ここを変えてはいけないという制約も少なからずありますが、それ以外については自由に制作していただいて、むしろ「こういったものはどうですか?」とどんどん提案してもらえたらと思っています。

杉山(ペパボ) 結局、クリエイターさんの個性を尊重しおもしろく活かしたほうが、良いコラボレーションになるんですよね。個人のクリエイターさんとコラボレーションをするうえでは、そこにいかに柔軟に向き合えるかも重要になるのではないかと思います。

――最後に、クリエイターとのコラボレーションをはじめ今後の取り組みの展望などについてお聞かせください。

永吉(カルビー) そもそもじゃがりこは、製造の設備も何もなかったところから、インタビューなどでお客さまのニーズを伺いながら生まれた製品です。そのためファンの方の意見を大切にするという思いが強いブランドでもある。クリエイターさんやファンの方々の声で作られてきたブランドなので、これからもどんどん意見を伝えていただけたらと思っています。

杉山(ペパボ) クリエイターエコノミーという市場の注目度は年々上がっていますし、個人のクリエイターさんが活躍する機会も増えてきたように思います。SUZURIとしては引き続き、クリエイターさんの活動につながるチャンスをひとつでも多く提供していきたいですし、いろいろなブランドさんとそうした機会の創出に取り組んでいけたらと思っています。

また今回のような企画では、「デザインが選ばれ、店頭に並んで終わり」ではなく、表彰式のような場を用意するなど、作品選定後のフォローアップまでしっかり行っていきたいです。

――永吉さん、杉山さん、ありがとうございました!