ショートドラマアプリ「BUMP」を運営するemoleは、Angel Bridgeをリード投資家として、既存投資家の千葉道場ファンド、D4V、サムライインキュベート、新規投資家として電通ベンチャーズ、博報堂DYベンチャーズ、セガサミーホールディングス、あおぞら企業投資からの第三者割当増資及びデットファイナンスを受け、シリーズAラウンドにて8.5億円の資金調達を実施した。今回の調達を含めた累計調達額は、11.6億円となる。
さらに、電通ベンチャーズ、博報堂DYベンチャーズ、セガサミーホールディングスと新たに事業面でも連携し、コンテンツ配信数の拡大やショートアニメなど配信コンテンツのジャンル拡張を行っていく。

資金調達の目的と背景
2022年12月末に従量課金型ショートドラマアプリとしてリリースをした「BUMP」は、リリースから約2年で累計ダウンロード数190万を突破した。さらに、SNSでの総再生数は、25億回を突破している。
2023年夏にグローバルに広がったショートドラマ市場は、2024年以降も国内外を問わず大きく成長を続けている。2024年に発表された市場調査レポート(YHリサーチ調べ)によれば、2029年には8.7兆円規模まで拡大するとの予測が出ている。
今回の調達資金を活用し、当社はショートドラマ作品のさらなる創出に向けた制作ラインの拡張、組織体制の強化、そしてアプリのプロダクト改善を推進する。また、電通ベンチャーズ、博報堂DYベンチャーズ、セガサミーホールディングスとの協業を通じ、より強固なコンテンツの供給パイプラインの構築を行っていく。
事業連携について/各投資家からのコメント
電通ベンチャーズ 若松征剛氏
ショートドラマで新たなコンテンツ文化を創っていくemoleを支援
スマートフォンでの視聴に特化した話課金型のショートドラマは、世界的に注目される新しいコンテンツフォーマットであり、大きな可能性を秘めた市場です。emoleは日本においてこの市場を開拓し、創成期から制作と配信を手掛けてきた確かな実績があり、それがショートドラマアプリ「BUMP」における配信作品の質の高さに表れていると思います。また、澤村さんや水谷さんをはじめとするメンバーの “感性と科学のバランス”を大きな魅力として感じています。
電通ベンチャーズとしては、電通グループのケイパビリティを最大限に活用し、共同でのショートドラマ作品の創出やIPのマルチメディア展開、ショートドラマならではの広告コンテンツ制作等に、emoleと一緒に取り組んでいきたいと思います。そして、ショートドラマという新しいコンテンツ文化をより豊かに育てるemoleの挑戦を、全力で支えていきます。
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND (株式会社博報堂DYベンチャーズ)マネージング・パートナー 取締役COO 漆山 乃介氏
日本発コンテンツプラットフォームとして世界への挑戦と、彼らの機動力、戦略性への共感
インターネットコンテンツの領域において、プラットフォームレイヤーで世界展開を狙えるチャンスは現在、非常に限定的です。その中でemoleが提供する「BUMP」は、単なるショートドラマのプラットフォームに留まらず、新しいコンテンツフォーマットを科学するための壮大な実験場として機能しています。特に、国産プラットフォームならではの緻密な生活者への洞察により、コンテンツヒットのセオリーを次々と見出していける可能性を強く感じています。
現在のコンテンツ短尺化の流れの中で、emoleは瞬発力とコンテンツが持つ魅力を持続させるストーリー展開の両立を、プラットフォームを通じて得られるデータの緻密な分析により追求しています。プロダクトとそこに集まる生活者、クリエイターを大切にするこの姿勢は、今まで数多の日本発メーカーが世界を席巻してきた時のありようにも通底するものであり、競争環境が激化していくこのマーケットにおいても、emoleなら充分に勝ち抜いていけると考えております。
また、「BUMP」からは既存の発想にとらわれない新しいスタイルのコンテンツクリエイターが続々と生まれてくることも期待しており、新しいクリエイションの苗床づくりの面でも協働を進めてまいりたいと考えています。
セガサミーホールディングス株式会社 投資マネジメント部 課長 下東 尚皓氏
ショートドラマを通じて新しい時代のエンタメをリード
現代のコンテンツが溢れている状況では、ユーザーのお金ではなく時間の獲得が最重要課題となっています。その中でもショートドラマは隙間時間に上手くフィットしているコンテンツ形態だと考えており、その追い風もありemoleは「BUMP」を180万DL超えのショートドラマプラットフォームへと既に成長させています。emoleは制作者も含めて業界全員が潤うような成長を目指しており、海外プラットフォーマーとは違い広告費の大量投入によるユーザー獲得ではなくコンテンツの質を上げることに既に注力しております。プラットフォーマー及び制作機能両方を持つemoleが旗を振る事によって目先の成長ではなく、持続性のある成長が実現できると思っています。セガサミーグループのCVC部隊としては数多くのIP、3D・アニメ映像作品の制作・グローバル展開といったグループの強みを生かし、ショートドラマ市場の更なる成長にむけてプラットフォーム発展を加速する様々な提携を行っていきたいと思っています。