「Pendo」のCPOが語る、プロダクトマネジメントの秘訣とPdMのための取り組みとは

「Pendo」のCPOが語る、プロダクトマネジメントの秘訣とPdMのための取り組みとは
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2024/03/04 08:00

 2013年にアメリカ・ノースカロライナ州ローリーで創業した、アプリケーションのUXを向上させるためのプラットフォーム「Pendo」。もともとプロダクト開発に携わっていたトッド・オルソン(Todd Olson)氏が、仲間と製品を開発しようとした際、上手くいっているのか否かを判断するためのデータ収集に苦戦したという課題感をもとに生まれたものだ。同社で特徴的なのは、プロダクト主導型戦略を意味する「プロダクト・レッド・グロース」が根幹にあること。今回は、同社のプロダクト開発やPdMのために行っている具体的な取り組み、またAIへの見解などについて、来日していた最高プロダクト責任者(CPO)のトリシャ・プライス(Trisha Price)氏に話を聞いた。

分析からCS向上までひとつのプラットフォームで完結する「Pendo」

――まずはトリシャさんのご経歴や現在の役割を教えてください。

大学で専攻していたのは数学で、大学院ではコンピューターサイエンスでマスターをとりました。最初はソフトウェアのエンジニアとしてキャリアをスタートしたのですが、コードを書くよりもビジネスの課題を解決するほうが楽しいと思ったことが、現在のキャリアにもつながっています。

クラウドバンキングプラットフォームを開発・提供する「nCino(エヌシーノ)」には6年ほど在籍し、CIO(チーフイノベーションオフィサー)兼CPO(チーフプロダクトオフィサー)をつとめました。nCinoでは2020年7月にIPOを行い、上場も経験しました。現在はPendoのCPOとして、Pendoのプロダクトマネジメント、プロダクトマーケティング、グロースチームを統括し、会社のプロダクト戦略を担っています。

プロダクト開発のチームに所属しているメンバーの多くはプロダクトマネージャー(PdM)ですが、それ以外にデザインとリサーチを担うユーザーエクスペリエンスのメンバーやプロジェクトマネージャー(PM)がいる場合もあります。また最近では、プロダクトオペレーションという役割も置いています。システムをきちんと維持したり、必要なデータなどを揃えて、最終的に良い決断をできるようにするための役割です。このチームは現在70人ほどです。

Pendo 最高プロダクト責任者(CPO) トリシャ・プライス(Trisha Price)さん
Pendo 最高プロダクト責任者(CPO) トリシャ・プライス(Trisha Price)さん

――Pendoのプロダクトにおける特徴や大切にしている考えかたは何ですか?

もっとも大きな強みは、データ収集や分析、セッションリプレイやお客さまのフィードバックを吸い上げる機能も、すべてひとつのプラットフォームで完結することです。データのレイヤーも全部共通ですし、それによってPdMはさまざまなサービスやアプリケーションを行ったり来たりすることなく、1ヵ所で作業を終えることができる。一気通貫ですべてを行うことができるのは、とても重要です。

そのなかでも大切にしているのは「プロダクト・レッド(Product Led)」です。従来はプロダクト・レッドと言うとソフトウェアを成長させたり、デジタルエクスペリエンスを考えるためのひとつの手段として捉えられたりしていたと思いますが、私たちはそうではないと思っています。

プロダクト・レッドは、常に学び、データをみて、ひとつの経験をさらに良くしていこうという考えかた。そのため、たとえほかのアプリケーションと連携しなくても、Pendoのなかでカスタマーサポートやトレーニングまで完結することは、プロダクト主導の観点でも使いやすさの面でも非常に大切だと考えています。

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