HR×テクノロジー領域からの飛躍を目指しビズリーチは「Visional」へ
キャッチーなテレビCMで話題を呼び、IT業界だけでなくお茶の間にもその名前を浸透させたビズリーチは、2020年2月にビジョナル株式会社というホールディングカンパニーを新設。株式会社ビズリーチなどをその完全子会社とし、Visionalグループが誕生した。
大胆な組織変革の背景には、事業領域の拡大があった。ビズリーチの看板サービスであるダイレクトリクルーティング事業のほか、現在は人材活用クラウドのHRMOS(ハーモス)シリーズや事業承継のM&Aプラットフォーム、サイバーセキュリティ事業、物流IT事業も展開されている。VisionalのCDO(Chief Design Officer)を務める田中裕一さんは、こう語る。
「社会がどんどん進化し、世の中がアップデートされていく中で生まれるひずみを解決して新しい可能性に変えていこう、というのが弊社のスタンスです。事業ドメインが増え、それぞれにフェーズも異なるので、会社を分けてグループ体制にしました」
ビズリーチでは2013年よりデザイナーの新卒採用を開始し、そこから加速度的に人が増え、現在は約70名のデザイナーがVisionalのデザイン本部に在籍している。デザイン本部は3つの部門に分かれており、各プロダクトの立ち上げ・グロースを担うプロダクトデザイン室、全社の広告やマーケティングに関するクリエイティブを司るコミュニケーションデザイン室、デザイン本部内の人材領域を担うデザインプログラムマネジメント室が存在している。
佐々木奈央さんを含めた5名のメンバーが所属するデザインプログラムマネジメント室(通称DPM室)は、主に人材領域でさまざまな施策を実施している。新卒デザイナー、キャリア入社者向けの研修設計や各事業へのデザイナーの人材配置などが具体的な業務内容だ。
「部門名に『デザイン』と冠されてはいますが、Adobeのツールはほとんど使っておらず、スプレッドシートがお友だちです(笑)。ただ、チームのメンバーはみんな『組織をデザインしている』と思いながら働いています」
大河原陽平さんを含めた30名超のメンバーが所属するプロダクトデザイン室(通称PD室)は、その名の通りプロダクトをデザインするチームだが、事業の課題を発見するところから、それを整理して仮説検証し、どう開発してグロースさせるかを考えるのがミッション。そのため、手を動かしてデザインする時間は意外に少なく、ものを考えたり整理したり、他職種のメンバーとコミュニケーションをとったりする時間が多いという。